自動車メーカー・ダイハツ工業は、車の安全性試験で不正が新たに174件見つかり、すべての車種の出荷を停止すると発表した。 この問題を調査した第三者委員会は「タイトな開発スケジュール」によって、不正行為が起きたと指摘した。

■新たな不正174件 第三者委員会が記者会見 なぜ不正が行われたか?

自動車メーカー・ダイハツで起きた車の安全性の試験での不正について調査を行っていた第三者委員会が、さきほど記者会見を開いた。

第三者委員会 貝阿彌 誠委員長:
類似案件として不正行為は合計174個。

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 第三者委員会によると、車の衝撃に対する試験では、助手席側の試験しか実施していないにもかかわらず、運転席側でも試験を行ったとして、データを流用していた。 さらにタイヤの空気圧試験は、法律で定められている空気圧を加えた実験が必要だが、正しい実験を行わず、虚偽のデータを記載していたということだ。

不正行為が確認されたのは「ダイハツ・ムーヴ」や「ダイハツ・キャスト」など64車種にのぼる。 不正は、1989年から行われていて2014年以降、その件数が増えていったということだ。なぜこのような不正が横行していたのか、第三者委員会は…

第三者委員会 貝阿彌 誠委員長:
不正行為が発生した直接的な原因およびその背景は、過度にタイトで硬直的な開発スケジュールによる極度のプレッシャー

■組織的な不正ではないと判断も…ダイハツ車ユーザー「こわい」

第三者委員会は、この不正について管理職が不正行為を指示・あるいは黙認したといった組織的な不正行為ではなかったと判断している。

一方で、現場任せで、管理職が関与しなかった体勢や、経営幹部の不正が起きることを想定していなかったことが原因で、今回の問題でまずもって責められるべきは、ダイハツの経営幹部だと糾弾した。

この調査を受けて、ダイハツは、現在国内外で生産中のすべてのダイハツが開発する車種の出荷をいったん停止すると発表した。

ダイハツは「自動車メーカーとしての根幹を揺るがす事態であると大変重く受け止めております」とコメントしている。

今回の不正について、ダイハツの車に乗る人は…

ダイハツ車ユーザー:
こわいですね、乗っている方からしたら…(買ったのは)5年前です。車は、スズキももう1台あったんですけど、それも前にリコーツで2年くらいで持っていってるんで…。“ちゃんとする”を徹底してほしいと思います。もうちょっと検査するべきやと思う、きっちり。

国土交通省は21日、大阪府池田市にあるダイハツ本社に立ち入り検査を行い、不正が起きた実態を調べることにしている

(関西テレビ「newsランナー」12月20日放送)

関西テレビ
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