自民党の派閥をめぐる「裏金疑惑」。疑惑の発端となったのは、政治家の貴重な収入源となる「政治資金パーティー」だ。2023年12月、福岡市内でも、あるパーティーが開かれた。
参加者は数百人…福岡で政治資金パーティー
18日、福岡市中央区のヒルトン福岡シーホーク。出入り口周辺に並ぶ黒塗りの車、スーツ姿の人たちなどが続々とホテルの中に入って行く。

川崎健太キャスター:
現在、12月18日、正午前です。ホテルの入り口に続々と車が止まっています。これから始まる政治資金パーティーに参加する人たちが、どんどん会場に入って行きます

ホテルの中で行われていたのは、福岡2区選出の鬼木誠衆議院議員の政治資金パーティーだ。2022年度の政治資金報告書によると、鬼木議員は政治資金パーティーを少なくとも3回開催し、5,200万円余りの収入を得ている。相場では参加者1人につきパーティー券1枚2万円とされる中、鬼木事務所によると、この日は数百人が参加したという。
佐賀などでは県連パーティーでの記載漏れも
スタッフの人件費など、事務所の運営にかかる費用の多くを賄うとされるパーティー収入。

福岡選出の主な国会議員の収支報告書を見ると、2022年度パーティー収入が最も多かったのは武田良太衆議院議員(福岡11区)で1億9,000万円余り。
そのほか、大家敏志参議院議員(福岡選挙区)が7,000万円余り。麻生太郎衆議院議員(福岡8区)が6,000万円余りなどとなっている。
政治資金パーティーは県連単位でも行われている。自民党福岡県連では2023年10月、約1,300人が参加し、政治資金パーティーを開催している。佐賀県などでは、県連のパーティーで収入に記載漏れがあったことが明らかになっていて、福岡県連は過去10年間のパーティーについて調査を行ったという。
自民党福岡県連・原口剣生会長:
自民党内の裏金問題が大変な騒ぎになっているが、政治資金規正法に則った中で、選管にも登録させていただいて収支をちゃんとやっているので、福岡県連はそういうことはありません

県連のパーティーについて、所属する議員ごとに販売目標はあるもののノルマはなく、政治資金規制法に従ってきちんと収支報告をしているという。
現役議員が語る「政治を見る目厳しくなっている」
一方で、一連の問題を現役の国会議員はどう受け止めているのか。自民党の第2派閥、麻生派の大家参議院議員が取材に応じた。
記者:
麻生派では、キックバックやノルマはあるか?

大家敏志参議院議員:
努力目標はあります。それが何か罰則があるとかいうよりは、それぞれに応じて「これくらい頑張ろう」というのはある
記者:
ご自身へのキックバックは?
大家敏志参議院議員:
それはありません。きちんと「入り」と「出」を収支報告書の中で明らかにすることが大事なことで、それをやっていないのが裏金といわれている。わが派にはそれはない
そのうえで大家参議院議員は、今回の自民党の裏金疑惑による影響は避けられないと話す。

大家敏志参議院議員:
政治を見る目が厳しくなっていますよね。ですから今後、「どういうかたちでパーティーを開いていくか」というのは事務所の中で検討していきますけど、やはりきちんと自らの主張を訴えて、賛同していただける皆さんに協力を願っていくということは、これからも続けていきたい
巨額の金が動いている以上、「資金の流れをもっと透明化すべきだ」という声が強まるのは当然といえる。
(テレビ西日本)