熊本城では熊本地震からの復旧工事が続いているが、国の重要文化財・宇土櫓(うとやぐら)の本格的な解体工事が2024年1月から始まるのを前に12月18日、屋根に設置されていたしゃちほこが取り外される様子が報道陣に公開された。
謎多い青銅製の宇土櫓のしゃちほこ
公開されたのは、宇土櫓を覆う素屋根内部の5階部分で、建物の屋根に載せられていた南北2体のしゃちほこ。クレーンで1つずつ釣り上げられ、工事用の足場に下ろされた。

熊本城でしゃちほこが載る建物は大天守、小天守と、この宇土櫓だけ。
大天守、小天守が瓦製なのに対し、宇土櫓のしゃちほこは青銅製だ。

宇土櫓のしゃちほこは、櫓が全解体修理された昭和2年に陸軍第六師団に保管されていたものを載せたと記録されているが、それ以前の記録はなく、いつ、どのように作られたかなどはわかっていない。
雄雌で表情が違う!今後一般公開も
屋根から外されると、しゃちほこの表情の違いを見ることができた。

北側に設置されていたしゃちほこは口を閉じていて雌、南側に設置されていたしゃちほこは歯が見えていて雄だ。

熊本城総合事務所 復旧整備課・岩佐康弘課長:
貴重なものですので、一般の方にも見ていただきたいと考えていますが、今後、検討してお披露目したいと考えています

しゃちほこは今後、調査を行ったあと、保管や展示の方法を検討する予定だ。
宇土櫓の本格的な解体工事は2024年1月から2年間かけて行われ、元の姿に戻るのは2032年度の予定だ。
(テレビ熊本)
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