福岡市の人口が、2040年にピークの170万人に達するとした新たな推計が明らかになった。全国的な人口減少の流れの中で、特出した動きといえる福岡市。気になる不動産価格はどうなるのか?専門家に聞いた。

「新たな将来人口推計」が明らかに

九州最大の政令指定都市として成長を続ける福岡市では、再開発事業「天神ビッグバン」による大型ビルの建て替え、さらに「地下鉄七隈線の延伸開業」など、街の風景は日々、目まぐるしく変わり続けている。そんな福岡市の高い成長性を表す新たな推計が明らかになった。

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福岡市の2023年11月時点の推計人口は164万4,000人。この数から17年後の2040年にピークの170万2,000人に達するとした「新たな将来人口推計」。この数字に対して福岡市の高島宗一郎市長は「170万人というなら、もっともっと来たくなるような街を目指して取り組んでいきたい」と述べた。一方、福岡市民は―。

年配の​男性:
うわーすごいね、やっぱり元気ですね、人口もすごいですね

若い男性​:
これから6万人増加ですよね!全然、想像がつかないですね。でも、これ以上、人が増えると「人混みがすごくなるな」という心配

子連れの男性​:
多いのは全然、悪くはないとは思うんですけど、整備が全然追いついていないと思うので、うちはまだ子どもが小さいので、「これから大丈夫なのかな」というのはある

福岡市の人口が増え続けている大きな要因が、他県からの流入だ。特に九州各県から福岡市への転入が多く、2022年は6,000人を超えていて、今後もその傾向が続くとみられている。

不動産価格の今後の動向

当面、これまでの予想を超える形で人口が増え続ける見込みの福岡市。そうなると気になるのは「不動産価格の今後の動向」だ。新たな推計について専門家はー。

不動産鑑定士・扇幸一郎さん:
推計は「保守的に見ているのではないかな」と僕も少し思っていたので、このペースは予測されていた話ではないかなと見ています。基本的には、もうすでに状況は織り込んでいる形になってくると思う

福岡市のマンションの平均価格は、ここ10年で約1,800万円も高くなっているとされている。

上がりに上がった現在の不動産価格には、「福岡市の成長性」がすでに織り込まれている可能性があり、今後の動向については、その都度、その都度、慎重に見極める必要があるとしている。

不動産鑑定士・扇幸一郎さん:
人が増えるというのは、一つの良いニュースではあるんですけど、やはりその土地価格の上昇と建築費の上昇、これが結構、足かせになってきて、今後、不動産価格がどうなっていくかはちょっと見ていかないといけないと思う

10年前にまとめられたこれまでの推計では、ピークは2035年に迎えて160万人余りとされていたが、当時の予想を超えるかたちで人口が増えていて、当面、その傾向が続くという見込みだ。

そんな福岡市も推計人口の推移をみると2040年にピークを迎えたあとは人口が減少に転じる見込みとなっている。少子高齢化への対応、これをどうしていくのか。今からしっかり向き合わないといけない状況であることは変わらないといえる。

(テレビ西日本)

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