ラウンドワンが、アメリカで高級和食店の展開を発表した。
日本食レストランの海外展開が拡大する中、日本の予約困難店と提携し、本物の日本食とサービスを提供する。北米でのアミューズメント事業の成功経験を活かし、2025年夏に主要都市での出店を予定している。

ROUND1 高級和食店をアメリカで展開

12日、ボウリング場などのレジャー施設を運営する「ROUND1(ラウンドワン)」が、アメリカで新たに日本食事業を展開することを発表した。

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「鮨あらい」など有名店と異例のタッグ。品質の高い日本食をそのままアメリカで提供するため、料理人は日本国内で募集する。加盟店で1年間の修行をしたのち、アメリカで腕をふるう。

ラウンドワン・杉野公彦社長:
(日本)食が海外にあるのかといえば、実はあるんですが“ほんまもん”ではない。海外の方が日本食というレストランの看板を掲げてやっている。これはラウンドワンのエンタメ事業と同じ形として、チャンスが絶対あると。

海外における日本食レストランの数は、2013年から右肩上がりに。この10年で3倍に伸びていて、市場はまだまだ伸びると予測している。

ラウンドワンは13年前から、北米に日本流のレジャー施設を展開しており、経常利益は100億円を超えている。

エンタメ事業で培ったノウハウを活かし、“ほんまもん”の日本食を海外へ。2025年夏には、ニューヨークなど主要3都市での出店を予定している。

海外展開のマネジメントを担う

「Live News α」では、消費経済アナリストの渡辺広明(わたなべ ひろあき)さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
ラウンドワンによるアメリカでの飲食事業への挑戦、どうご覧になりますか。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
世界的なアフターコロナの外食需要の盛り上がりも手伝い、日本食レストランの海外出店が加速しているが、「美味しい」だけでは成功はおぼつかない。

きめ細かな店舗運営が必要となるため、なかなかハードルが高い。この部分をラウンドワンが担うというのは、いいアイディアかもしれない。

堤 礼実 キャスター:
具体的に、ラウンドワンはどんな役割を担うのでしょうか。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
今回の取り組みは、日本の予約困難店の中でも最上位クラスの18 店舗。「日本の食文化」の提供で、最高峰に位置する飲食店の海外展開をラウンドワンとのタッグで進めるというもの。

具体的には、すでにアメリカでアミューズメント事業を展開しているラウンドワンが、従業員の採用や、出店エリア選定などを担うという。海外進出のノウハウのない高級和食店にとっては、得意の料理に集中することが可能になる。

個店飲食店×大手運営会社のタッグは、新しい相互補完のビジネススキームとなり、海外ではより効果を発揮しそうだ。

日本ならではのノウハウ見せどころ

堤 礼実 キャスター:
気になるのが、ラウンドワンと飲食店、今までそういうイメージはあまりなかったですよね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
ラウンドワンの北米での遊戯施設は、100億円以上の経常利益をあげている。

ラウンドワンが展開しているクレーンを中心とするゲーム事業や、パーティルームやボーリングなど小規模施設での運営は、きめ細やかなサービスや行き届いた店舗運営の積み重ねが必要とされる。

これは日本のサービス産業の真骨頂であり、このノウハウは飲食店経営にも繋がるため、これが海外での成功の鍵になりそうだ。

堤 礼実 キャスター:
日本食のさらなる海外普及が進むといいですね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
農水省の調査によると、全世界に18万7千店の日本食レストランがあるが、日本以外の他国の方が経営しているケースが多い。

そのため、日本の本物と全く違うメニューやサービスも散見されるため、今回の取り組みは真の和食文化の世界での普及や、さらなる顧客支持の後押しになることを期待している。

堤 礼実 キャスター:
日本が誇る食を海外に広めていくことはもちろん、アミューズメント事業で培ったノウハウを活かして、新たな食の楽しみ方や、日本のサービスを海外の方にも知ってもらうきっかけになるといいですね。
(「Live News α」12月12日放送分より)

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