プロバスケットボールB1リーグの長崎ヴェルカは、平日開催の試合でもチケットは完売するほど人気が高まっている。長崎に根付き始めたバスケ文化について、キャプテンの高比良寛治選手(※高は「はしごだか」)に聞いた。

初年度から全試合に出場 “長崎人”高比良主将

バスケットボールB1リーグ、長崎ヴェルカの高比良寛治選手は長崎市出身だ。初年度のB3リーグから全試合に出場している30歳で、3年連続でキャプテンを務めている。

テレビ長崎 磯部翔アナウンサー:
B1というところでこれまでのB3、B2との違いは?

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長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
プレーの質もだが、お客さんのクオリティーが違う。バスケが好きな人がたくさん来ていて、特に長崎のホームゲームは完売が続き、盛り上がりがすごいので、それが1番違うかなと僕は思う

“チームの顔”高比良選手に、〇×形式で5つの質問をぶつけた。

「1. ヴェルカのメンバーの中で長崎を1番愛しているのは自分だ」
「2. B3参入から3年、長崎にバスケを楽しむ文化が根付いてきたと感じる」
「3. ヴェルカに加入してからプレーとしゃべりが上手になった」
「4. 自身“初のB1”に手ごたえを感じている」
「5. チームは今季を終えたときにあっと驚く結果を残している」

高比良選手は迷うそぶりもなく、すべて「〇」の札を上げた。

長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
即答で〇を上げた

また、自身を「長崎人だ」と感じる瞬間について、高比良選手は「『長崎出身だから頑張ってね』とか、『唯一の地元出身選手だ』とたくさん声をかけてもらうので そういう時に感じる」と語る。さらに、「皿うどん大好きだが、試合後は家族で帰る時に皿うどんを食べて帰ることも結構あるし、みんな何かを食べて帰る時、皿うどんを食べるかというと、僕以外そうでもないと思うので、そういった部分でも長崎県人だなと思うことはある」と語っていた。

根付き始めた「バスケ文化」

高比良選手が、長崎でバスケットボールを楽しむ文化が根付いてきたと感じるのは、試合会場でのある変化だという。

長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
試合会場でもそうだし、まちなかでも長崎ヴェルカのグッズを持っている人が増え、さらに会場に着いた時の「外」の様子。みんながグッズを買ったり食べ物を買ったりしている風景が、B3の開幕戦と全然違うのが理由の1つ

B1ホーム戦はチケット完売が続いている長崎ヴェルカ。いったいどんな思いで試合をしているのだろうか。

長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
力をもらえるし後押しがある。あと1つここでいいプレーが必要とか、パフォーマンスを出さないといけないという時、あの声援があると全然違う

高比良選手は、人前でのトークも上手になったという。

長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
ありがたいことに、たくさんテレビに出演させてもらって、シーズン前後にファンの皆さんの前でしゃべることがたくさんあるから。その時に感じるのがファンの皆さんの圧 = 熱量がどんどん変わってきた。B3、B2、B1と上がるにつれて。聞く姿勢というか ただ聞いているだけじゃなくて前のめりになって聞いている人もいるので、そういったところが全然違う

挑戦者として…試合には「ハングリーな状態で」

自身も初のB1に挑んでいる高比良選手は、大きな手ごたえを感じる一方で、B1だからこその課題も感じている。

長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
フィジカル面が通用していると感じている。通用できていない部分が判断の部分。まだまだレベルが足りていない。今まであればエース級のスペシャルな選手が一人、二人だったのが、5人全てコートに出ているシチュエーションが多いと思うので、状況判断がうまくならないといけないと感じるところ

チームは、今季を終えた時にあっと驚く結果を残していると確信している高比良選手。そこには、挑戦者として貪欲な思いが垣間見える。

長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
すでに「あっ」と驚かれていると思うけど(11月末時点で9勝5敗)。現状、選手スタッフ誰一人満足していないし、自分たちがターゲットとしている30勝をどれだけ早くクリアできるか、そういくことでプレーオフも見えてくると思うし、天狗にならず、自分たちはチャレンジャーなので常にハングリーで飢えた状態で試合に臨んでいきたい

高比良主将とチームの気になる関係は?

今シーズンは、選手13人のうち6人が新加入だ。半数が入れ替わった中、高比良選手は明るい雰囲気作りに心を砕いている。
高比良選手を中心とした長崎ヴェルカの相関図を書いてもらい、特筆すべきところを聞いた。

長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
1番は…、生意気な後輩、小針幸也選手(笑)。小針選手は、かわいがられ方を分かっている。ご飯もよく誘うが、「また?」と言われて。「僕から連絡しますから」と言われているが 1回も来たことがない

新加入の馬場雄大選手は、食生活へのこだわりに共通点があるという。

長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
僕も食生活にこだわっていて、すごく似ていて。それこそアウェーの仙台89ERS戦の時は、二人で鉄板焼きを食べて1時間半くらいしゃべって、店員さんに「閉店時間を過ぎてるよ」と、「部屋に戻ってほしい」と言われるくらい話が合う。彼の持っているプロ意識はすごいなと思っている

外国籍選手の存在も欠かせない。

長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
特にジャレル・ブラントリー選手は、日本語を学ぶ姿勢がすごい。最初にラーメンを食べにいった時も「替え玉をなんというの?」と聞かれ、日本語で「替え玉1つ」と頼むことを教えた。それを動画に撮って、自分で辞書にしている。イベントの時も自己紹介を日本語でしていたし この数カ月で日本語を話せるようになるのは珍しいんじゃないかと思う

2024年は、いよいよ長崎スタジアムシティのアリーナも完成する。どんな長崎ヴェルカに進化したいと思っているのだろうか。

長崎ヴェルカ 高比良寛治共同主将:
そこにバスケというカテゴリーが1つあって、そこでプレーできるのは地元選手として誇りだし当たり前ではないので、小学生からおじいちゃん、おばあちゃん世代に勇気や元気を与えていきたい。夢のあるアリーナができてプレーをして、なおかつ子どもたちに夢を与えたいと思っている

12月は、31日間で13試合という「過密日程」となる長崎ヴェルカ。2023-2024シーズンの成績を占う大事な時期となりそうだ。

(テレビ長崎)

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