熊本市の井戸や河川などでも検出されている有機フッ素化合物について、WHO(世界保健機関)のがん研究組織が、発がん性の評価を引き上げた。これを受け大西熊本市長は「不安をあおらず原因を究明することが重要」と述べた。
PFOAとPFOSの発がん性評価引き上げ
WHO傘下の研究機関・国際がん研究機関は、12月1日に有機フッ素化合物の「PFOA」と「PFOS」の発がん性の評価を引き上げたと発表した。

PFOAは「発がん性の可能性がある」から、4段階の評価で最も高い「発がん性がある」に引き上げられた。同じ分類にはアスベストや、たばこの煙が含まれる。

また、PFOSは「発がん性の可能性がある」に新たに分類された。
熊本市 一部の井戸や河川で指針値超え
この有機フッ素化合物をめぐり、熊本市の調査では水道水に問題はなかった。

しかし、北区・植木地区周辺にある39カ所の民間の井戸で国の指針値を超え、河川では井芹川や、その上流の鐙田川で国の指針値を超えて検出された。特にJR植木駅近くの鐙田橋付近では、高濃度で検出されている。

このPFOAとPFOSの発がん性評価が引き上げられたことについて、大西熊本市長は「国際関係機関が示したことを受けて、さまざまな知見、専門家が検討され、地方自治体にも示されると思う。不安をあおるのではなくて、原因をつきとめて対処することが重要」と述べた。
熊本市は、原因究明のため河川の追加調査を急ぐとしている。
(テレビ熊本)
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