熊本市の井芹川で、有害性が指摘されている有機フッ素化合物が国の基準を超えて検出されていたことが、京都大学などの調査で分かった。これを受け、熊本市は井芹川の調査を開始し、大西熊本市長は「原因調査を徹底していく」と述べた。
井芹川で基準値超える有機フッ素化合物
京都大学の原田浩二准教授によると、2023年8月から9月に、熊本市を流れる井芹川の18地点から水を採取して分析。

その結果、上流から中流の6.4kmの区間7カ所から、国の基準値1リットルあたり50ng(ナノグラム)を超える有機フッ素化合物が検出されたということだ。
上流ほど多く検出され、北区植木町の鐙田橋付近では最も多い73.62ngだった。

この地点は、2023年3月の熊本市の調査で基準値を超える濃度の有機フッ素化合物が検出された植木町の井戸の下流に当たる。

原田准教授は「基準値の50ngは飲料水の基準であり、河川から検出されてもただちに人体に影響するものではない。一方で、農地への影響は注視する必要がある。発生源を早く突き止めるべきだ」としている。
「水質調査と影響調査し公表したい」
これを受けて熊本市は実態把握のため、11月9日に井芹川の9カ所から採水し分析。

10日の会見で、大西熊本市長は「特に熊本は“水の都”といわれる街でもある。水質汚染はあってはならない」と強調。「プロジェクトチームを立ち上げているので、ここを中心に原因調査を含めて徹底したい」と述べた。

結果について「水質調査の結果を踏まえて、周辺への影響を調査した上で公表したい」としている。
(テレビ熊本)