小さな子どもを連れての外出は何かと大変。

出産後、子どもを預けないと社会復帰が出来ない。そんなママたちのための居場所が誕生した。

子育てママのための居場所

大きなテーブルをママと子どもが囲み食事をしている。

「初めまして」のママ同士でも自然と会話が生まれ、子どもたちも一緒になって遊んだり、ご飯を食べたりしている。

札幌市中央区に2023年5月にオープンしたカフェ「byme」。

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お客さんと一緒にご飯を食べているのは、1歳7か月の柚葉ちゃん。

柚葉ちゃんの母親、28歳の加茂凪彩さんはこのお店の調理担当。

凪彩さんは、お店で柚葉ちゃんを育てながら働いている。

「子どもを連れながら働いているけど、全然違う子を抱っこしてあやしたり、逆にじぶんの子どもを違う人が見てくれていたり。いろんな人が子どもを見ている」(加茂 凪彩さん)

社会での子育て。その小さな始まりになるような優しい空間がそこには広がっていた。

みんなで一緒に子育て

同じく調理担当の28歳の世戸菜穂さんも、生後11か月の花純ちゃんを連れてきていた。

「最初は2人で(厨房に)立つけど、子どもたちがぐずったら、どっちかが出る。オーナーが来たら任せる。毎回思うように(準備が)進まない」(凪彩さん)

凪彩さんは当初、柚葉ちゃんが1歳になったら保育園に預けて社会復帰をしようと考えていたが、まだ離れたくないという思いが強くなり、子どもを連れて働ける場所を探していた。

そんなとき、高校時代の同級生の29歳の水野莉穂さんが「それなら自分が子どもを連れて働ける場を作る」と言ってくれたのだ。

「自分は結婚も子育てもしたことがない。自分の想像力が及ばない悩みを聞き、ママになった瞬間に甘えることが難しくなるのかな」(bymeオーナー 水野 莉穂さん)

カフェのオーナーとなった莉穂さんは、お客さんとの会話を大事にしていて、ママたちに困りごとがないか、常に目配りしている。

「ママたちの手が空かず、子どもたちは遊べるけど、結局ママが疲弊している。手の空いている大人が(子どもを)見ればいいと思う。ここにいる時くらいはゆっくりご飯を食べられたら」(莉穂さん)

子育てママと子どもを繋ぐ場所に

ママが自分のための時間を過ごせるような居場所になればと、凪彩さんは考える。

「旦那の帰りが遅いとか早いとか、家族のサポートあるとか無いとか関係なく、家族でもパートナーでもない誰かが一緒に子育てしてくれたら、ママはもっと楽になる」(凪彩さん)

社会での子育て。このカフェがその小さな始まりになるかもしれない。

北海道文化放送
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