最新のロボットが集結する展示会が開幕。今後は柔軟で優しい動きのロボットが注目を集め、新たな市場として立ち上がることが期待されている。
テーマは「協働」 新技術が目白押し
世界最大規模の「2023国際ロボット展」が11月29日から東京都内で始まり、家事もこなす最新型も登場している。
![車を持ち上げる産業用ロボット](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/7/700mw/img_b7bd8fb5c15699a09a825ead56cf4fb9227703.jpg)
出展者数が過去最大となった今年は、「協働する」をテーマに大きな車を持ち上げる産業用ロボットなどが展示された他、こんなものも。
![記者のジャケットをハンガーにかけるロボット](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/8/0/700mw/img_803083a66699558aaabca1c6c4dc510383131.jpg)
木沢基記者:
こちらのロボットが、私のジャケットをハンガーにかけてくれます。
![料理や水回りの掃除などを行う。早稲田大の研究センターが開発](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/5/c/700mw/img_5ccb56fde3033991ba85dcf0a3dd6b17101048.jpg)
早稲田大学の研究センターが開発した、料理や水回りの掃除など、家事を1台でこなすロボット「AIREC(アイレック)」。
将来的には介護や福祉の場での活用も想定していて、人手不足の解決に繋げたいとしている。
![ゴムから作った人工筋肉が収縮する](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/d/700mw/img_cdbfd33da2d85693b4f507944eae7f69108266.jpg)
また、ブリヂストンの社内ベンチャー企業が開発したのは、その名も「やわらかいロボット」。ゴムから作った人工筋肉が収縮することで、今までのロボットにはなかった安心感を与える感触があるという。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/1/700mw/img_d182d3e6bb1826b0a94b03c4d0a6f076165813.jpg)
ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズ 音山哲一CEO:
今までロボットというと、求められていたのは機能性だと思うんです。スピード・パワー・精度がない限りは、ロボットとは呼んでもらえない世界だった。省人化につながるのはもちろんありますが、最終的には人の精神安定、安心安全というところを提供できたらいいなと。
国際ロボット展は、12月2日まで行われる。
ロボット開発の競争はますます激化
「Live News α」では、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに話を聞いた。
堤 礼実キャスター:
ロボットの製造で、日本は世界の中でどんなポジションにあるのでしょうか。
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早稲田大学ビジネススクール教授 長内厚さん:
産業用ロボットは、今でも日本が国際競争力を有している分野です。ロボットに必要とされる機械的なメカニズムと、電気制御の両方にまたがるメカトロニクスと呼ばれる分野は、日本の得意な技術なんです。日本は、そのロボットを使う製造現場も多い。つまり、大きな市場もあるため、日本の産業用ロボットは著しく成長を遂げて、世界のトップに成長しました。
堤 礼実キャスター:
これからも日本は産業用ロボットの分野で、世界をリードしていくことができるのでしょうか。
早稲田大学ビジネススクール教授 長内厚さん:
近年では、欧州や中国のメーカーも勢いを増してきています。単調な仕事を何回も繰り返すだけのロボットから、自律的に場面に合わせて動作するAIを搭載したロボット技術も進化していますので、これからますます競争が激しくなると予想されます。
“優しいロボット”ビジネスを日本から
堤 礼実キャスター:
ファミリーレストランなどで配膳をしてくれるロボットなど、暮らしの中で活躍するロボットも増えましたよね。
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早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん:
これまでは反復、俊敏、力強く、その反面危険なので、ロボットの近くには人間が立ち入ることができない、力強い産業用ロボットがロボットの主役でした。
今後はその場に応じて、しなやかで優しい、これまでのロボットとは異なるソフトな動きで、人の近くで人に優しいロボットが、新たな市場として立ち上がることが期待されています。
さらに、早稲田大学などが開発するAIRECのように、誰かの暮らしに寄り添う、1人1台のロボットを想定した先進的な取り組みも始まっています。
堤 礼実キャスター:
漫画やアニメで描かれているような、人とロボットが一緒に暮らしていくことも、現実になろうとしているわけですね。
早稲田大学ビジネススクール教授 長内厚さん:
日本人はアニメや漫画はもちろん、様々な企業が発売しているペットロボットなどに親しんできました。人のそばで、ペットやパートナーとしてロボットが寄り添うことが、文化として受け入れやすい土壌があるようにも思えます。日本発の新たな産業として、人に寄り添うロボットのビジネスが立ち上がっていくことを期待したいですね。
堤 礼実キャスター:
近年、人手不足などの問題も問われ、ロボット業界への注目度が高まっています。人間とロボットが共存する世界というのも、すぐそこまできているのかもしれませんね。
(「Live News α」11月29日放送分より)