天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは、11月10日、「皇居三の丸尚蔵館」を訪問されました。

皇居三の丸尚蔵館 特別展示「令和の御代を迎えて」(12月24日まで)
皇居三の丸尚蔵館 特別展示「令和の御代を迎えて」(12月24日まで)
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開館30周年を迎え、11月3日にリニューアルオープンした「皇居三の丸尚蔵館」。ここには皇室から寄贈された美術工芸品など約2万点が納められ、開館を記念して「皇室のみやび‐受け継ぐ美‐」と題し、国宝の伊藤若冲の作品などが展示されています。

あわせて陛下の即位5年と結婚30年を記念した特別展示「令和の御代を迎えて‐天皇皇后両陛下が歩まれた30年‐」では、ご一家の思い出の品々も数多く公開されました。

ご両親の結婚の装束に目を輝かせられる愛子さま

最初にご覧になったのは、平成5年6月9日に皇居・宮中三殿の賢所で執り行われた「結婚の儀」で両陛下がお召しになった装束です。皇太子の装束「黄丹の袍(おうにのほう)」は「昇る朝日の色」といわれる鮮やかなだいだい色が特徴です。

両陛下「結婚の儀」の装束
両陛下「結婚の儀」の装束

そして、皇后さまがお召しになった十二単の一番上に羽織られた唐衣は、亀甲型に織られくちなしの文様があしらわれています。皇后さまがお召しになった十二単をみて、愛子さまは「袖の色目がとても美しいですね」と目を輝かせていらっしゃいました。

結婚の祝宴「宮中饗宴の儀」で皇后さまが着用された衣装のひとつ、杏色のドレス「ローブ・モンタント」。デザイナーの森英恵さんが手掛けました。

皇后さまの「ローブ・モンタント」
皇后さまの「ローブ・モンタント」

皇后さまは「久しぶりに見た気がする。懐かしいですね」と当時を思い出したご様子でした。愛子さまが背中に並ぶたくさんのボタンを見て「1人で着るのは大変ですね」と話され、皇后さまは「自分では着られないです」と応えられていました。

バイオリン、フルート、天体望遠鏡… ご一家の趣味の品々

展示品には、陛下が幼い頃に使われていたバイオリンや皇后さま愛用のフルートなど、趣味の品々も…。陛下が小学校高学年の頃から50年以上愛用されている天体反射望遠鏡も展示されました。

陛下ご愛用の「天体反射望遠鏡」
陛下ご愛用の「天体反射望遠鏡」

昭和49年(1974年)2月の14 歳の誕生日に公開された映像では、陛下自ら望遠鏡を組み立て、その夜に上皇さまと一緒に星空を観察された様子が映されています。

昭和49年2月 天体望遠鏡を組み立てられる陛下
昭和49年2月 天体望遠鏡を組み立てられる陛下

望遠鏡は静養先にも毎回のように持参されるといい、2023年の夏、那須御用邸では記者からの「(望遠鏡を)持ってこられましたか?」という質問に、陛下は笑顔で「持ってきました。前から使っている望遠鏡を」と応えられています。

今回天体望遠鏡と一緒に展示されたのが、2022年11月、陛下が撮影された皆既月食の写真です。御所の庭で、天体望遠鏡を使って月食をご覧になったご一家。展示の望遠鏡や写真を見ながら、そのときの思い出を楽しそうに話されていました。

令和4年11月 陛下が撮影された皆既月食の写真(提供:宮内庁)
令和4年11月 陛下が撮影された皆既月食の写真(提供:宮内庁)

愛子さまが撮影された思い出の写真も展示されています。高校2年生の時に参加したイギリス・イートンカレッジのサマースクールでの写真をまとめられた「イートンの夏」。額縁には「ETON」の文字をあしらい飾り付けられました。

愛子さまが撮影した写真をまとめられた「イートンの夏」
愛子さまが撮影した写真をまとめられた「イートンの夏」

両陛下が目に留められたのは、ストーンヘンジ遺跡の前で人を持ち上げ、遺跡をまねた一枚。両陛下は「この写真は良いですね」と話され、愛子さまはその時のエピソードを紹介されました。

1時間近くかけてゆっくりと展示をご覧になったご一家。「広くなって見やすくなりましたね。大変きれいに展示していただいてありがとうございます」と学芸員を労われていました。
(「皇室ご一家」11月26日放送)