伝承800年。舟形町に伝わる紙すきに小学生が取り組んだ。鎌倉時代から受け継がれる「長沢和紙」で、32枚の卒業証書がつくられた。
つないできてくれたものを子どもたちに
山形・舟形町東部に位置する長沢地区では、清らかな水・地元の山に自生するコウゾと、ノリウツギの皮を使い、農家の冬の副業として和紙作りが行われてきた。
この記事の画像(25枚)鎌倉時代から800年以上受け継がれてきた「長沢和紙」だ。
煮だしたコウゾの皮を剥ぎ、冷たい水にさらして繊維を採り出すという根気がいる作業。パルプ紙の普及でいったん途絶えたが、40年前に復活した。
その後は、地元の陶芸家・金寛美さんが保存会を立ち上げて守り継ぎ、学校の伝統行事・卒業証書づくりを蘇らせた。
長沢和紙保存会「和楽」・金寛美さん:
誰かが教えていかないと途切れてしまう。つないできてくれたものを子どもたちに教えていきたい
知り合いの大工さんに頼んで特製の木枠を作り、コウゾはミキサーでかきまぜる。ノリウツギの樹液の抽出は、ホットプレートを代用する“即席の技法”を確立。
ハプニングも良い思い出?
今回は、2024年春に卒業する6年生32人が親子で取り組んだ。
木枠を水平にくぐらせ、厚さを均一にするのがポイント。
中にはうまくいったと思って油断し、和紙を落としてしまう児童も…。この経験も良い思い出になりそうだ。
児童は「難しかったけど、体験できてうれしかった」「できあがりが楽しみ」「早く受け取りたい!」と完成を待ちわびている様子。
日本の紙すきの一連の工程は、2014年にユネスコの無形文化遺産に登録されている。
受け継がれる歴史と伝統。
長沢和紙の卒業証書は2024年3月の卒業式で一人ひとりに手渡される。
(さくらんぼテレビ)
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