創価学会は11月18日、池田大作名誉会長が15日、95歳で亡くなっていたことを発表した。国内外で強い影響力を持ち、岸田首相も弔意を示した池田氏とは、どのような人物だったのか。

海外要人との“民間外交”も

東京都出身の池田大作氏は1947年、19歳で創価学会に入会。1960年に32歳の若さで第3代会長に就任すると、4年後の1964年、創価学会を支持母体とする公明党を結党した。

池田氏は1960年、32歳の若さで第3代会長に就任。1964年に創価学会を支持母体とする公明党を結党
池田氏は1960年、32歳の若さで第3代会長に就任。1964年に創価学会を支持母体とする公明党を結党
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学会内で象徴的な存在だった池田氏。創価学会の会員世帯数は、公称で全国に827万世帯。その組織力を背景に政界にも強い影響力を与えていた。

2003年4月、池田氏は「学問は幸福の土台なり、学問は正義の土台なり。そして、学問は勝利の土台なり」と述べている。

旧ソ連・ゴルバチョフ元大統領と会談(1990年)
旧ソ連・ゴルバチョフ元大統領と会談(1990年)

また、海外の要人とも独自の民間外交を展開した。1990年には旧ソ連のゴルバチョフ元大統領と、2007年には来日した当時の温家宝首相と会談し、中国とは強いパイプを築いた。

さらにその教えは、海外の著名人にも。ハリウッドスターのオーランド・ブルームさんは今年3月、ユニセフの親善大使としてウクライナを訪問。ゼレンスキー大統領に池田氏の言葉を伝えた。

ユニセフの親善大使としてウクライナを訪問したブルーム氏
ユニセフの親善大使としてウクライナを訪問したブルーム氏

オーランド・ブルーム氏:
私の“心の支え”は日本の池田大作という方です。池田大作の言葉を贈ります。「時代は変わる。力が正義とされる時代から、正義が力となる時代へ」。

ゼレンスキー大統領:
ダイサク・イケダ。

オーランド・ブルーム氏:
そう、池田大作です。

池田氏の訃報を受け、ブルーム氏がSNSに投稿した池田氏とのツーショット写真
池田氏の訃報を受け、ブルーム氏がSNSに投稿した池田氏とのツーショット写真

池田氏の訃報を受け、ブルームさんはSNSに池田氏とのツーショット写真を投稿した。

岸田首相のXへの投稿(11月18日)
岸田首相のXへの投稿(11月18日)

岸田首相は自身のX(旧ツイッター)に、「池田大作氏の御逝去の報に接し、深い悲しみにたえません。池田氏は、国内外で、平和、文化、教育の推進などに尽力し、重要な役割を果たされ、歴史に大きな足跡を残されました。ここに謹んで御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方々および御関係の方々に対し衷心より哀悼の意を表します。内閣総理大臣 岸田文雄」と投稿。

立憲民主党の泉代表も「各国との友好親善に力を尽くしてこられました」と投稿した。

しかし、ネット上では岸田首相の投稿をめぐり「政教分離」がトレンドワードに入り、注目を集めている。

政教分離の観点から問題があるかどうかとの質問に対し、松野官房長官は20日午前の会見で、「公明党の創立者である池田大作氏に対して、個人として哀悼の意を表するため、岸田首相個人のSNSアカウントやウェブサイトにおいて弔意を示したものと理解している」と述べた。
(「イット!」11月20日放送)