イスラエル軍は15日、ガザ地区最大のシファ病院に突入した。その後、イスラエル軍は病院内の映像を公開し、大量の武器などが保管されていたことから、そこが「ハマスの拠点だった」と主張した。
一方、ハマスは、イスラエルの主張を「全てうそ」だと否定。双方が“シファ病院内”とする映像を公開し、互いの主張をぶつけ合う状況が続いている。
「病院内に大量の武器」イスラエル軍が“ノーカット映像”公開
「私は今、シファ病院にいます」
イスラエル軍の報道官が立っているのは、ガザ地区最大の病院、シファ病院。
この記事の画像(33枚)「これからノーカットでビデオ撮影します。シファ病院のこの建物で、たった今発見した全ての証拠を、編集なしのノーカット撮影で見せます」
15日未明、イスラム組織ハマスの司令部があるとしていたシファ病院に突入したイスラエル軍。公開された映像の中で、報道官は“編集はしていない”と強調した上で、自ら病院内部の様子を公開し、「シファ病院がハマスの拠点である証拠を見せる」という。
「最後に使われたのがいつかは分りませんが、これは間違いなくMRI装置です。この装置の後ろに回ると見えるのが、我が軍がつい数分前に見つけたものです。軍の用語で言うと『グラブバッグ』です」
数分前に見つけたばかりだという“ハマス戦闘員のもの”と主張するバッグには、武器がぎっしりと詰まっていた。
「見えているのは軍事装備です。(自動小銃)AK-47があって、カートリッジと弾薬と手りゅう弾があります」
廊下には銃を構えたイスラエル軍の兵士が並び、病院が制圧された様子がうかがえる。
さらに進むと、ピンクのバッグの中に入っていたという装備が並べられていた。
「バッグの中身はハマスのテロリスト1人の装備です。未使用の手榴弾、弾薬、防弾チョッキ、ブーツや戦闘服……」
報道官は、他にも通信機器やパソコンなどが発見されたと説明。病院にあるはずのない大量の武器は、シファ病院がハマスの拠点だった具体的な証拠だと主張した。
イスラエル軍は、地下にハマスの司令部があり、人質がいるものとみて、地下トンネル入り口などの捜索を続けている。
「イスラエルの主張は全てうそ」ハマス側も病院内の映像公開
対するハマスは、イスラエルの主張を全てうそだと否定している。
ハマスが運営するガザ保健当局は、イスラエル軍がシファ病院を攻撃中のものとする映像を公開。映像では、煙が充満した病棟内を、口を覆い咳き込みながら患者を移動させる医療スタッフの姿などがみられた。
シファ病院の医師は、「病院の中では常に戦車が走っていて、病院全体が麻痺している。誰も手術を行う医師はいません」と説明する。
さらに、電力不足で保育器が停止し、生まれたばかりの赤ちゃんを別の病棟に移す様子などが公開された。
イスラエル軍、ハマス双方が“シファ病院内”する映像を公開し、互いの主張をぶつけ合う状況が続いている。
(「イット!」11月16日放送より)