任期満了に伴う山形・米沢市長選挙の告示が11月19日に迫っている。現職が退いた今回、新たな市政の舵取り役を目指す新人3人による選挙戦が濃厚となっている。

立候補を表明している新人3氏

米沢市長選挙にはこれまで、元衆院議員の近藤洋介氏(58)、元市の参与・伊藤夢人氏(38)、元市議の皆川真紀子氏(53)の3人が、いずれも無所属での立候補を表明している。

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近藤氏は2022年12月に立候補を表明した。現職の中川勝市長に24票差で敗れた4年前に続く挑戦となる。学校給食費や学童保育利用料の無償化、新しい産業団地を整備し雇用を創出・地元企業を後押しすることを公約に掲げている。

近藤洋介氏:
人口が増え、交流人口が増え、企業も人手不足の悩みに直面せず事業継続できる。良い循環の米沢を皆さんと一緒に作っていきたい

舟山康江・芳賀道也の2人の参議院議員の支援を受けるほか、10月に開いた集会には吉村知事が駆けつけるなど、国会議員時代からの知名度と人脈を生かした選挙戦を展望する。

伊藤氏は元外務省職員で、市のSDGs推進参与を務めた。2022年12月の立候補表明以降、市内を回り知名度アップに努めている。AIを活用したデマンドバスの導入や、米沢のブランド力の全国・世界への情報発信強化を掲げている。

伊藤夢人氏:
ご縁をいただく民間企業を増やしていく。人と物と知恵が米沢に自立的に集まる。そういう街に10年後にしていく

自民党県連と公明党県本部が推薦し、鈴木憲和衆議院議員や中川市長も支援を表明。11月9日の集会には自民党の茂木幹事長が応援に駆けつけるなど、事実上の国政与党の候補として支持獲得を狙う。

皆川氏は2023年8月に立候補を表明した。春の県議選では約4,600票を獲得している。最重点公約に掲げるのは、学校給食共同調理場の計画撤回。加えて、予算編成過程を公開し、外部の専門家と市民による事業評価を実施するなど、開かれた市政を実現したいとしている。

皆川真紀子氏:
予算編成過程を公開することで市民もわかるし、議員もその過程がわかるので、透明化になる。再三提案してきたことなので、私が市長になったらやりたい

県議選と同様に政党の支持は受けず、後援組織も持たない皆川氏は街頭演説や座談会など草の根での戦いを展開する。

告示を前に3氏が公開討論会に臨む

三つどもえの戦いが想定される中、11月10日に開かれた公開討論会では、政策アピールや市民からの質問への回答を通して、米沢市の課題や将来像について意見を交わした。

近藤洋介氏:
経営力があって市民の満足度が高い。もっと具体的に言うと“人口の減らない米沢”を実現したい。県内最高水準の子育て・教育環境を作る。おいしい地産地消の給食を実現し完全無償化する。東北初となる学童保育の利用料も無償化し、子育て世代を徹底的に応援する

伊藤夢人氏:
様々な仕掛け作りをすれば、10年後・20年後、世界が米沢に憧れの目をもって見る日が来ると思っています。車がなくても巡れる街にする。「呼べば来るバス」と呼んでいる10人前後の乗合のオンデマンドバス。「ここに来てくれ」「ここまで行きたい」といって、乗合のバスが来て市役所や駅・行ってほしい所に行く。そういう仕掛け作りをする

皆川真紀子氏:
いま一番大きな事業は予算43億6,000万円・学校給食協同調理場整備運営事業。一極集中のリスク、地産地消のオリジナル化の消滅リスク、食材の質の低下の懸念。市民負担が大きいことを鑑み、違約金を払ってでも事業を撤回したい

市長選挙は11月19日に告示され、26日に投開票される。

(さくらんぼテレビ)

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