世界の感染者数が1200万人を超えた。
コロナと共に生きる“新たな日常”の形も世界様々だ。
世界中で取材を続ける各国のFNN特派員が、8ヶ国11都市の今をリポートする。

トランプタワーの目の前で

ニューヨークの中川です。
人種差別抗議デモの合い言葉となっている「ブラック・ライブス・マター=黒人の命は大切だ」の文字が、道路に大きく描かれています。この場所はトランプ大統領が所有する、「トランプ・タワー」の目の前。市長自らが「これは大統領へのメッセージだ」と主張し、計画したものです。政治・経済・社会のあらゆる面で分断が続くアメリカ。ここにも溝の深さが表れています。

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学校再開めぐる対立

ワシントンの藤田です。
感染者が300万人を超えたアメリカで、夏休み明けの学校再開を巡り混乱しています。トランプ大統領は秋の新学期から学校を再開すべきだと主張、「応じなければ予算を削減する」と圧力をかけています。CDC=疾病対策センターが定めた学校再開のガイドラインも見直す方針で、地方政府や教員らが、強く反発。子供の健康や親の心配を置き去りにした論争が続いています。

スター選手の心も揺れる

ロサンゼルスの益野です。
7月末からようやくメジャーリーグが開幕することになり、中断していたキャンプが再開されました。安全のため観客は中に入れず、報道関係者も人数制限と健康チェックが課される厳戒態勢です。一方、今シーズンの出場を辞退する選手も出ています。集団競技で、しかも長距離移動が伴い感染リスクが高いためです。ファンが待ち望んでいるとはいえ、家族を持つ人間としてスター選手の心も揺れています。

静まり返るウィンブルドンのセンターコート

ロンドン小堀です。
ウィンブルドンテニス、今年は中止となりました。本来であれば7月9日から女子シングルスの準決勝が行われ最高に盛り上がっているはずが、センターコートは静まり返り、会場にファンの姿はありません。また、こちらの公園、例年であれば当日券を求める徹夜組のテントで埋め尽くされますが、それも見られません。一方、会場内では至る所で工事をしています。話を聞くと「来年の準備さ!」と笑顔で答えてくれました。

ステイホームで「美容整形」が好調?

ソウルの川崎です。
韓国では新型コロナウイルスの影響で、病院に行く人が減り医療機関が軒並み減収となっていますが、例外が「美容整形」です。こちらのビルはテナントのほぼ全てが美容整形クリニックですが、感染拡大ピーク時の3月には去年に比べおよそ10%の増収でした。整形手術を受けると患部が腫れ、人前に出にくくなりますが、コロナの影響で在宅時間が増え、日常的にマスクもつけるため、整形には好都合だったようです。

第二波が来る前に急いで夏休みを

パリの石井です。
ルーブル美術館の再開など明るいニュースがある一方、パリとその近郊では、生活排水から検出される新型コロナウイルスが増加傾向にあります。保健相も「第2波に備なければならない」
と警鐘を鳴らす中、フランスはバカンスへの出発ラッシュを迎えています。「第2波が来る前に急いで夏休みを」ということで、多くの人が第2波の到来を前提にして行動する様子が伺えます。

閑古鳥がなくアヤソフィア

世界遺産アヤソフィアの「主」グリも観光客減に寂しげな様子
世界遺産アヤソフィアの「主」グリも観光客減に寂しげな様子

イスタンブール清水です。
トルコの世界遺産、アヤソフィアに来ています。1500年の歴史の中で、キリスト教の大聖堂から、イスラム教のモスク、今は博物館となり、人々を魅了してきました。去年、トルコで最も多くの観光客が訪れた人気の観光スポットですが、ご覧のように閑古鳥が鳴いています。空の玄関が再開しても外国人観光客はさほど戻らず、厳しい観光シーズンを迎えています。

アルコール入りの薬がバカ売れ

モスクワの関根です。
ロシアで、驚きの統計が出ました。薬局で売っている、こちらの高血圧の液体薬、自宅隔離が続いた2カ月以上の間に6000万パック売れ、売り上げが40%もアップしました。ロシアの一部地域では、お酒の販売が制限され、代わりにアルコール入りのこの薬を飲む人が増えたのが理由です。専門家は、お酒の代わりに飲み続けるのは危険として止めるよう呼びかけています。

ライブ配信で野菜を販売する農家も・・・!

上海の城戸です。
こちらの農家のようにネット中継で商品を販売する企業や個人は急増しています。新型コロナで景気が低迷する中、中国政府は7月、この”ライブ配信販売員”を正式な職業と認定しました。雇用対策として人材育成を後押しする地方政府もあります。就職難もあり、多くの人がこの仕事に参入していますが、中国メディアは誰もが成功するわけではない、と、厳しい現実も指摘しています。

健康コードがグレードアップ

北京の伝統的な商店街・前門です。
ここでも店などに入る際は、このような健康コードと呼ばれる感染リスクが低いことを示す証明が必要です。店の入り口でQRコードをスキャンすれば画面が出てきます。以前は健康コードの提示に加えて、紙に名前や電話番号などを記入する必要があったのに比べ、グレードアップしました。個人情報についても配慮していて、店側には個人が特定できない仕組みになっています。

テレワークから通常出勤へ

バンコクの武田です。
タイでは40日以上、市中感染が確認されていません。こちらは駅の改札口ですが、感染予防策として乗客が密集するのを避けようとホームへの入場制限が行われています。テレワークから通常の出勤に切り替えた人も多く、ラッシュ時は入場を待つ人たちで長い列ができています。日常が戻りつつあるタイですが政府は外国人観光客の受け入れには依然慎重です。

【取材:FNN海外特派員取材班】

国際取材部
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