激しく流れ落ちる茶色い濁流。
南米・ブラジルと、アルゼンチンの国境にある世界遺産「イグアスの滝」だ。

通常時は、多くの観光客が遊歩道など間近まで訪れるイグアスの滝
通常時は、多くの観光客が遊歩道など間近まで訪れるイグアスの滝
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普段は、滝つぼクルージングや迫力満点の見物スポットに、多くの観光客が訪れる絶景の地だ。

しかし大雨が降った影響で、水量が観測を初めて以来2番目に多い、通常時の約16倍を記録した。

約16倍の水量で、遊歩道は危険な状況
約16倍の水量で、遊歩道は危険な状況

滝の迫力を間近で体験できる人気の遊歩道は、濁流が押し寄せ危険なため、通行禁止となった。

干ばつに悩まされていたソマリアで大洪水…イタリアでも

異常気象は南米だけではなく、アフリカ東部・ソマリアでも深刻だ。

5日に撮影された映像を見ると、街が一面、茶色い水で覆われている。

ソマリアでは数カ月前まで、数年間にわたり、干ばつが続いていた。
それが一転、今度は豪雨による洪水が発生したのだ。

家の中まで押し寄せた泥水の上で、子どもが休んでいる。
女性は「子どもたちに与えるものは何もありません。わたしたちには避難所がありません」と嘆く。

ソマリア政府は、大雨による洪水により29人が死亡、30万人以上が避難したと発表している。

洪水被害はイタリアにも及んでいる。
トスカーナ州では、記録的な豪雨により洪水が発生。地元当局は、6人が死亡したと発表した。

3日に撮影された映像では、腕に抱かれ、不安そうな顔をのぞかせる猫や、ボートに乗って犬と一緒に避難する人の姿も見られた。

同じトスカーナ州にあるのが、「ピサの斜塔」で有名な街・ピサだ。
濁流は、この地にも押し寄せ、ひざの高さまで冠水。店内にも水が押し寄せていた。

アマゾン川では干ばつ、四万十川は渇水

一方でブラジルのアマゾン川では10月24日、水を求めて川岸に長い行列ができていた。

記録的な干ばつで、水位が15メートル近くも下がったのだ。

川底の岩から2000年前に彫られた人の顔とみられる彫刻が出現した。

川の異変は、日本でも。

川の水が消え、ゴロゴロとした川底の石がむき出しになっていたのは、“日本最後の清流”と称される、高知県の四万十川。

渇水で、普段水が流れている場所でも歩くことができてしまう。
一部が干上がったこの状況に、鮎を狙って来たシラサギもたたずむだけだった。

特に「佐田沈下橋」付近はかなり水が少なく、2023年5月の様子と比べると、水量の差は一目瞭然だった。

川のほとりにあるコーヒー店のスタッフは「水が全然無くて、観光客の方にいつもこんな感じですかって聞かれるのがすごく悲しいです」と話す。

一体、なぜ渇水が起きたのか。

原因は、記録的な水不足だ。
四万十川流域で、10月1カ月に降った雨は、32ミリ。平年のわずか10%だ。

この渇水で心配されるのが、産卵期を迎えている鮎。
20年前から四万十川で屋形船を運航している、「屋形船さこや」の荒地秀明さんは「こんだけ水量が少ないと、限られた場所しか通れないということで、鮎の産卵なんかにも、もしかしたら影響があるかもしれないですね」と懸念している。
(「イット!」11月8日放送より)

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