天皇皇后両陛下は10月23日、東京・千代田区の国立劇場で歌舞伎を鑑賞されました。

国立劇場は伝統芸能の拠点として歌舞伎や文楽、日本舞踊などが上演されてきましたが、老朽化による建て替えのため10月末に閉場しました。

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この日は『さよなら特別公演』として、歌舞伎の『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』が上演されました。

歌舞伎『妹背山婦女庭訓』
歌舞伎『妹背山婦女庭訓』

両陛下は時折オペラグラスを覗きながら、約3時間にわたる公演を楽しまれました。

ご一家と国立劇場

昭和41(1966)年、幕を開けた国立劇場。
こけら落としの歌舞伎公演『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』には、昭和天皇と香淳皇后が足を運びました。

昭和41(1966)年 昭和天皇と香淳皇后がこけら落とし公演を鑑賞
昭和41(1966)年 昭和天皇と香淳皇后がこけら落とし公演を鑑賞

昭和50(1975)年には、来日したイギリスのエリザベス女王夫妻も訪れています。
昭和天皇とともに歌舞伎を楽しみ、鑑賞後は歌舞伎役者たちと交流もしました。

昭和50(1975)年 昭和天皇とエリザベス女王
昭和50(1975)年 昭和天皇とエリザベス女王

劇場には、上皇ご夫妻もたびたび足を運ばれています。
昭和61(1986)年には、ご一家が長女の黒田清子さんの日本舞踊をご覧になりました。

昭和61(1986)年 黒田清子さんの日本舞踊をご覧になるご一家
昭和61(1986)年 黒田清子さんの日本舞踊をご覧になるご一家

清子さんは中学時代から日本舞踊を始め、この時初めて国立劇場の舞台に立ち「鶯宿梅」を披露しました。

「鶯宿梅」を踊る黒田清子さん(昭和61(1986)年 国立劇場小劇場)
「鶯宿梅」を踊る黒田清子さん(昭和61(1986)年 国立劇場小劇場)

そして平成最後の年には、上皇さまの在位30年を記念する式典が行われました。
式典では、上皇さまが沖縄での交流を詠んだ琉歌に上皇后さまが曲をつけた「歌声の響」を沖縄出身の歌手・三浦大知さんが歌い、ご夫妻は大きな拍手を送られました。

平成31(2019)年 天皇陛下御在位三十年記念式典
平成31(2019)年 天皇陛下御在位三十年記念式典

皇室にとっても数々の思い出がある国立劇場。57年の歴史に幕を閉じる『さよなら特別公演』を鑑賞した両陛下は、「最後の公演を見られて本当にうれしく思います」と話されたということです。

国立劇場は、2029年以降に再開場される見込みです。
(「皇室ご一家」11月5日放送)

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