コーヒーを飲むのではなく、食べることで楽しむ。そんな食品をUCC上島珈琲株式会社(神戸市)が開発した。

商品名は「YOINED(ヨインド)」で、コーヒーの抽出液ではなく、焙煎した豆を粉砕したものやコーヒーオイルなどを固めることで、菓子のような食べ物に仕上げている。

UCCが開発した「YOINED」
UCCが開発した「YOINED」
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形はコイン状で、1枚の直径は約4.4cm、重さは7.5g。主原料はコーヒー豆(エチオピア産)、コーヒーオイル、植物油脂、砂糖など。見た目はチョコレートっぽいが、カカオ豆は使用していないという。

コーヒー豆自体を配合している
コーヒー豆自体を配合している

商品のラインナップは、1枚にコーヒー豆の配合量が40%(約23粒分)の「CRAZY BLACK」、15%(約8粒分)の「MELLOW BROWN」。今回販売するのは2種3枚入り(合計6枚)のパックで、価格は2700円(税込)となる。

原材料や販売情報
原材料や販売情報

11月1日~2024年3月末までの数量限定発売でなくなり次第終了。UCC公式オンラインストアのほか、UCCの全国11店舗でも取り扱う。
※初回販売分が終了した店舗もある(11月2日時点)

コーヒー好きにはたまらない一品だが、香りや味わいはどうなっているのか。食べるのと飲むのでは、どんな違いが出てくるのだろう。担当者に聞いた。

開発のきっかけは研究員のこだわり

――コーヒー豆を食べようと思ったきっかけは?

皆さんが普段飲むコーヒーは抽出液で、抽出後のコーヒー粉には成分や香りが残っています。そんな状況に、当社の研究員が「豆の味・香りを余すことなく味わうことができないか」と考えたことがきっかけです。食べることで味や香りの「余韻」にひたり、気分をリラックス、リセットできる商品になればと開発しました。商品名も「余韻」が由来です。

製造の流れと特徴
製造の流れと特徴

――YOINEDはどのように製造している?

コーヒーの生豆を焙煎し、焙煎豆を圧搾してコーヒーオイルを抽出するとともに、焙煎豆は凍結粉砕して細かい粒子にしています。これらを植物油脂、砂糖などを混ぜ合わせ、固めています。(これらの製法により)くちどけはなめらかで、香りも新鮮なまま閉じ込めています。

「MELLOW BROWN」と「CRAZY BLACK」の特徴
「MELLOW BROWN」と「CRAZY BLACK」の特徴

――風味や食感はどんな感じ?

食感やくちどけはチョコレートに似ていますが「香りのすごさ」を感じます。CRAZY BLACKはブラックコーヒーのような、苦味や酸味やフレッシュな香りが、MELLOW BROWNはカフェオレのような、コーヒーとミルクの調和が、口から鼻に伝わります。

「飲む」よりも「食べる」方が香りを強く感じる

――YOINEDならではの特徴はある?

口に入れた瞬間に香りが爆発する感覚があり、長い余韻があります。人間の香りの感じ方は「鼻から嗅ぐ」「口から鼻腔へ伝わる」があり、後者がより強いと言われます。YOINEDは口でとかす、そしゃくして味わうので、香りも強く感じられるのです。

食べる方が香りを強く感じるという
食べる方が香りを強く感じるという

――コーヒー豆を食べることでのメリットは?

食物繊維の多さですね。豆の配合量によりますが、コーヒー1杯(120mL)と比べてCRAZY BLACKは1枚で約6倍の食物繊維を摂取できます。コーヒー豆をまるごと使用することにより、抽出されずにコーヒー粉に残る食物繊維がすべて取り入れられます。味、香り、華やかさといった、コーヒー豆の特徴が分かりやすく感じられるところも魅力です。


――どう味わってほしい?お勧めの食べ方は?

少しずつ食べて香りを感じてほしいですね。口で溶かすとじわじわ香りが変化しますし、噛むと香りが口から鼻に抜ける波が来ると思います。自分が何かを頑張ったとき、余韻にひたりながら味わっていただくのも良いでしょう。

飲むコーヒーとの違いを楽しんでも良い
飲むコーヒーとの違いを楽しんでも良い

――飲むコーヒーと一緒に味わってもいい?

もちろんです。華やかさや酸味などの相乗効果を感じられます。飲むコーヒーと食べるコーヒーでは、香りの感じ方、余韻の長さも違うので、比較しても楽しいでしょう。お酒との相性も良いです。ブランデーやウイスキーなどのスモーキーなお酒と、焙煎した香りが合います。

次のステップも考えている

――数量限定発売とあるが、反響はどう?

予想以上の反響をいただき、オンラインストアは11月2日現在、予約受注の状況です。店頭では初回販売分が終了した店舗もございます。次回以降の入荷情報を随時ご確認いただけますと幸いです。


――YOINEDはこれからどう展開していく?

反応を見てとなりますが、次のステップも考えています。コーヒーの種類などラインアップを増やしていく可能性、改良の余地があるかもしれませんので、お楽しみにしていただければと思います。



コーヒーは食べることで、香りや特徴をより感じられるようだ。余韻にひたりながら味わうのがお勧めというので、年末向けに「1年頑張った」ご褒美として考えてもいいかもしれない。

(画像提供:UCC上島珈琲株式会社)

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。