10月30日の衆議院予算委員会。野党が追及したのは、世間も関心を寄せる“岸田減税”だ。

“減税国会”で激論 詰め寄る場面も

立憲民主党の逢坂代表代行は、「防衛力強化や少子化対策の財源が安定的ではない」などと岸田首相を追及した。

「そんなの詭弁ですよ!」と首相に迫った
「そんなの詭弁ですよ!」と首相に迫った
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立憲民主党 逢坂代表代行:
本来伸びるであろうはずの予算を伸びないように抑えたから、それが財源になる。そんなの詭弁ですよ!(防衛費は)5年間で43兆円、恒久的安定財源は増税だけ。こんな状況の中で総理が減税減税って言うから、国民の皆さんはそんなこと大丈夫なのかって、そう思うんじゃないですか。

「経済政策と防衛力の強化はそれぞれ重要な課題である」と述べた
「経済政策と防衛力の強化はそれぞれ重要な課題である」と述べた

岸田首相:
経済政策と防衛力の強化はそれぞれ重要な課題であり、そして防衛力の強化も経済に最大限配慮した形で行う、ということであります。

その上で岸田首相は、防衛力強化のための増税と、一時的な減税による経済対策は矛盾しないと強調した。

“異次元の少子化対策”をめぐる議論も白熱。政府がその財源について「増税しない」などとしている点について、野党側は「本当に国民の負担は増えないのか」と迫った。

異次元の少子化対策の財源について、政府が「増税しない」などとしている点について追求
異次元の少子化対策の財源について、政府が「増税しない」などとしている点について追求

立憲民主党 逢坂代表代行:
追加負担しない、増税しないということは、国民の負担は1円たりとも増やさないという意味でしょうか。

岸田首相:
国民に実質的な負担を生じさせないことを目指す。これを明記しております。

この答弁に「目指すだけか!」「目指すだけじゃダメだぞ!」とのヤジも飛んだ。

立憲民主党 逢坂代表代行:
(国民の負担は)1円も増えないんですね?増えるんですか?いかがですか。

岸田首相:
実質的な追加負担は生じさせない。これを目指していくと。

続いて質問に立った立憲民主党の早稲田議員も、国民の負担について追及した。

立憲民主党 早稲田議員:
社会保険料は上がるんですか?下がるんですか?

社会保険料について立憲・早稲田議員が岸田首相に質問。委員長に指名された加藤少子化相は行ったり来たり…
社会保険料について立憲・早稲田議員が岸田首相に質問。委員長に指名された加藤少子化相は行ったり来たり…

岸田首相への質問に委員長は、加藤少子化相を指名。早稲田議員が「総理にお願いします!」と求める中、加藤大臣は席を立ったものの、行ったり来たり…。戸惑いながら答弁に立つと、「時間の無駄だって!」との声が上がった。

戸惑いながら答弁に立つ加藤少子化相
戸惑いながら答弁に立つ加藤少子化相

岸田首相は、少子化対策の財源についてこう繰り返した。 

岸田首相:
所得を増やす中にあって(国民の)負担の率は決して増えることがないよう、制度を構築していきたい。

立憲民主党 早稲田議員:
1回きりの4万円の減税で、ごまかしていただきたくない。偽装減税、増税隠し減税、選挙対策減税であると私は思います。

経済対策を進めて国民の所得を増やしていくと述べた
経済対策を進めて国民の所得を増やしていくと述べた

岸田首相:
経済対策を進めて賃金・所得が増えることをもって、国民の皆さんに一定の負担をお願いしていける。こうした体制を作っていくことが重要であると考えています。

熱を帯びる“減税国会”。31日は舞台を参議院に移し、議論が交わされる。
(「イット!」10月30日放送)