大阪市にある人気ラーメン店・金龍ラーメン道頓堀店。

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一際目を引く「龍の立体看板」は、店のシンボルであり、“フォトスポット”にもなっているが、裁判所から“はみ出たしっぽ”を撤去する判決が出され、物議を醸している。

龍の看板は1992年頃に制作

争いの舞台となったのは、大阪・ミナミにある金龍ラーメン道頓堀店。昼夜を問わず多くの客が訪れる人気店だ。

龍の看板は1992年頃に作られて、店舗正面に巨大な龍の顔や胴体があり、側面の壁からしっぽの部分が突き出ている。問題となったのは、この“しっぽの部分”だ。

隣の土地を所有する不動産会社が、「立体看板のしっぽの部分や、庇(ひさし)が隣接する土地にはみ出している」として、その撤去を求め、金龍ラーメンの運営会社を提訴。

対する金龍ラーメン側は、「撤去すればブランドイメージが低下し不利益が甚大である」などとして、訴えを退けるよう求めていた。

そして、大阪地方裁判所は26日、「はみ出した龍のしっぽや庇は不動産会社の土地所有権を侵害している」として、撤去を命じる判決を言い渡した。

この騒動について、街の人からは「この迫力は残しておいてほしいと思いますね。見て楽しむのもこの街の1つの楽しみだと思う」、「龍自体が金運とか仕事運とか、御利益な神様のイメージがあるので、やっぱりしっぽとか切られてしまうと、そういう御利益的なものもなくなっちゃう気がするので、もったいない気がしますね」といった声が聞かれた。

看板制作者は「ちょっと寂しいな」

物議を醸している「龍のしっぽ」騒動。

しっぽ部分が撤去されることについて、龍の看板の制作者である「ポップ工芸」中村雅英・前社長は、「作品の一部がなくなるというのは、大まかに言ったら、ちょっと不満じゃないけれども、ちょっと寂しいなとか、そういう気持ちがありますけども」と話した。

金龍ラーメンの運営会社は、控訴については検討中としている。
(「イット!」 10月27日放送より)