東京で10月28日から開催される車の祭典「ジャパンモビリティショー」を前にマツダはEVのスポーツコンセプトカー「アイコニックSP」を初公開した。

ロータリーエンジンで発電するスポーツEV

東京モーターショーから新たに生まれ変わった「ジャパンモビリティショー」はEV(電気自動車)を中心に、各メーカーのコンセプトカーや未来のクルマが並ぶ。

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マツダが公開したのは「マツダアイコニックSP」。

マツダ 毛籠勝弘社長:
操る楽しさにあふれたコンパクトスポーツカーコンセプトです

アイコニックSPはマツダを代表するカラーの赤で、ロータリーEVシステムを採用した電動自動車だ。

斜め上に開くドアや低い車体でスポーツカーを表現し、鮮やかな「ヴィオラ・レッド」は「前向きにきょうを生きる人の輪を広げる」というマツダの思いが込められている。

おむすび型の2つのローターで発電するプラグインハイブリッド車で、ロータリーエンジンは発電専用。

水素などの脱炭素燃料での発電に対応し、搭載バッテリーは再エネ電力で充電される。

マツダ 毛籠勝弘社長:
電動化時代になりますと、搭載するものがたくさんあるんですね。ロータリーエンジンという非常にコンパクトなサイズのエンジンを活用することで、低い車体に詰め込む制約をブレイクスルーしているところが一番売りであると思います

マツダは2030年に生産するすべての車に電動化技術を搭載するとともに、世界販売の最大4割を電気自動車にするとしている。

今回、マツダはブースに5台の車を展示。初代ロードスターに始まり、最新の4代目ロードスター、車いすの利用者が乗り降りしやすいように工夫したSeDVロードスターと、展示はすべてロードスター。そこには、電動化の時代にもマツダが追求したい、こだわりが込められている。

車いす利用者向けSeif-empowerment Driving Vehicle
車いす利用者向けSeif-empowerment Driving Vehicle

マツダ 毛籠勝弘社長:
マツダが走る歓びを将来も追求していく、そのひとつの形をコンセプトカーで示したものを受け止めてください

ホンダ×ソニーは「動くスマートフォン」

一方、国内の自動車メーカーは娯楽や快適さなど、電気自動車の車内空間を充実させる出展が目立った。

ホンダはソニーグループとともに開発中のEV「アフィーラ」を日本で初めて一般公開。

自動運転を見据えて運転席の前面には大きなタッチパネルが配置され、映画や音楽、ゲームが楽しめるまさに「動くスマートフォン」だ。

トヨタは箱型のミニバンEV「カヨイバコ」の試作車を出展。

通常の電池よりも薄型のものを搭載し、車内空間を広く確保することを実現。キャンプでの利用や車いすの積み込みなどを想定しているということだ。

こうした各社の出展に、毛籠社長は「車の可能性が広がる」と評価しつつ、マツダとしての思いを強調した。

マツダ 毛籠勝弘社長:
車もスマホのようになるんじゃないかという風に考えていらっしゃる方がたくさんいます。我々は、やはり車は楽しいものだということを、変わらず提供して行きたい。新しい時代に適合しても、そういう価値は創造できるんだということを皆さんにお知らせしたい

各自動車メーカーが電動化・脱炭素化の技術でしのぎを削る中、マツダが打ち出す「走る歓び」というコンセプトが世界にどう受け止められるか注目される。

(テレビ新広島)

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