スギよりも10倍成長が早く、5倍のCO2吸収量がある「早生桐」の木が今、山形県の最上地域で注目を集めている。低炭素社会に向け動き出した新たな取り組みを追った。

約5年で建築資材に!SDGsとしても注目「早生桐」

山形・最上町の前森高原で向町小の子どもたちが植えているのは、早生桐の苗木。
今は約50cmだが、1年で5メートルを超える高さまで成長する。

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スギは建築資材などに活用するまで約50年かかるが、早生桐は、たったの5年。
CO2の吸収量は、スギが1haあたり8.8トンなのに対し、早生桐は42.5トンと、約5倍の能力がある。

SDGsの取り組みとしても注目の早生桐。仕掛け人は、新庄市の運送会社の会長でプロジェクト代表の佐藤東洋彦さんだ。

最上地域早生桐産業創造プロジェクト・佐藤東洋彦代表:
わたし自身は運送業でずっとやってきたので、植林なんてやったこともない。挑戦するには逆にちょうどいいやと

早生桐を起爆剤に新たな産業を

佐藤さんが早生桐に出会ったのは2年前。徳島県で研究が進んでいるのを知ったのがきっかけだった。

最上地域早生桐産業創造プロジェクト・佐藤東洋彦代表:
こんなに大きくなるとは思ってなかった。これは面白い。これを起爆剤にしていろんな活性化ができるのではないか。最上の土地に植えてみたくなった

思いに賛同した企業や個人とともに、2022年8月、「協議会」を設立。
研究によって、キリには断熱や抗菌などの効果があることもわかり、山形市の住宅メーカーの協力を得て、建築資材に活用する取り組みも始まっている。

最上地域早生桐産業創造プロジェクト・佐藤東洋彦代表:
間に段ボールが入っている。これで3トンの重さに耐えられる。壁材やパーテーションにも活用できる

当面は前森高原を中心に、最上全体で年間1,000本ずつ植樹し、2028年から伐採を始め、事業化を進める計画。

最上地域早生桐産業創造プロジェクト・佐藤東洋彦代表:
子どもたちも巻き込んで「早生桐プロジェクト」がきっかけとなれば、面白い産業が生まれる。可能性は無限大

最上地域で始まった新たなSDGsの取り組み、その行方に注目だ。

(さくらんぼテレビ)

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