岸田首相は10月23日の臨時国会で所信表明演説を行い、経済対策を強調した。その一方で、首相をやゆするチラシをめぐって騒動も起きている。

“増税メガネ”チラシに物議 SNSで謝罪

チラシに大きく書かれていたのは「増税メガネとは?」の文字。黒縁メガネのイラストが添えられ、こうつづられている。

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「『増税メガネ』とは、SNSでトレンドになった言葉。自民党・岸田政権は、日本人の『国民負担率』が長年増え続けているのに『増税』を断行」

“増税メガネ”とは、防衛力強化による増税などを打ち出してきた、岸田首相をやゆする言葉だ。チラシでは増税は国内経済を衰退させると訴え、日本経済を取り戻すための減税を宣言している。

チラシを作成・配布したのは、日本維新の会から次の衆院選に立候補を予定する、医師の石川雅俊氏。ネットでは「あまりにも品がない」「メガネ着用者への差別だ」などと批判が殺到した。

日本維新の会から次の衆院選に立候補予定、医師の石川雅俊氏
日本維新の会から次の衆院選に立候補予定、医師の石川雅俊氏

石川氏本人を直撃すると、事務所のスタッフに守られ、一言も話すことなく車に乗り込んでいった。

事務所スタッフ:
ちょっとすぐ出かけちゃうのでごめんなさい。

ディレクター:
一言だけいただけませんか?配布したチラシはこれだけですか?

一言も話すことなく車に乗り込んだ石川氏
一言も話すことなく車に乗り込んだ石川氏

車の中から取材ディレクターをチラリと見た石川氏だが、自身のSNSではこう謝罪の言葉をつづった。

「私が配布をしたチラシについて、厳しいご指摘がありました。SNSトレンドになったキーワードをきっかけに税制・税負担を論じることを企図したものでしたが、多くの方に不快な思いをさせ、軽率であったと反省しています。できる限り回収し、これ以上の頒布は行いません。誠に申し訳ありませんでした」

また、日本維新の会の音喜多駿政調会長は、自らも“増税メガネ”を軽い気持ちで時折使用していたことを認め「自らの至らなさを深く反省し再発防止に努めてまいる」と謝罪した。

「減税どうするんだ?」岸田首相は小さく笑みを浮かべ…

岸田首相は“増税イメージ”を払拭できるのだろうか。

23日午後1時過ぎ、臨時国会で所信表明に臨んだ岸田首相は「減税どうするんだ?」というヤジに小さく笑みを浮かべると、ある言葉を連呼した。

岸田首相:
最初につかまなければならない変化の流れは「経済」です。経済、経済、経済。私は何よりも、経済に重点を置いてまいります。

この演説に、場内では拍手が起きる一方で「増税!増税!」というヤジも飛んだ。

岸田首相は演説で、コストカットを最優先としてきた日本経済が「30年ぶりに新たな経済ステージに移行できる大きなチャンス」と強調。さらに、物価高を乗り越えるために「国民への還元」を打ち出した。そして、繰り返し口にしたのがこの言葉だ。

岸田首相:
賃上げ税制を強化するための「減税」措置や、過去に例のない投資「減税」、特許などの取得に関する新たな「減税」制度…。

このほか、所得税の減税を念頭した方針も。

岸田首相:
国民の努力によってもたらされた成長による税収の増収分の一部を、公正かつ適正に還元し、物価高による国民のご負担を緩和いたします。

首相の所信表明に、野党からは皮肉の声も。

立憲民主党 泉代表:
「変化の流れを絶対に逃がさない」と冒頭に総理はおっしゃったが。総理が一番、変化の流れを逃しているんじゃないかと。

岸田首相の所信表明に対する代表質問は、24日から3日間行われる。
(「イット!」10月23日放送より)