スポーツの日の10月9日、東京・千駄ヶ谷にある東京体育館で、「スポーツフェスタ2023 in東京体育館」が開催された。

イベントは、“誰もが気軽に楽しめる”をテーマに、なじみの深いスポーツから新しいスポーツまで、21種類の種目を無料で体験できるもの。

取材から見えてきたのは、スポーツの力だけではなく、スポーツの力を通じて地域を盛り上げる取り組みだ。

世界のトップアスリートが熱戦を繰り広げた舞台でプレー!
世界のトップアスリートが熱戦を繰り広げた舞台でプレー!
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東京2020大会で卓球の会場として使われた東京体育館。メインアリーナには14台の卓球台が設置されていて、基本的な打ち方を教えてくれる教室をはじめ、ピンポン球と木の板のラケットを使って6対6で競う「卓球バレー」を体験できるブースなどもあり、どの卓球台も参加者で賑わっていた。中でも人気だったのは卓球マシンだ。マシンから飛び出す球は、回転とスピードを調整できるため、初級者から上級者まで楽しめる。

巨大なボールを皆で打つ「キンボールスポーツ」とは?
巨大なボールを皆で打つ「キンボールスポーツ」とは?

子どもたちが巨大なボールを抱えながら体験していたのは「キンボールスポーツ」。

「キンボールスポーツ」はカナダ発祥の新しいスポーツで、いわば、ネットのないバレーボールのような競技だ。4人1組の3チームで直径122センチ・重さ1キロのボールを打ち合って点数を競う。

特徴の一つがその打ち合いの仕方だ。
3チームはピンク・ブラック・グレーに色分けされ、ボールを相手チームにめがけてヒットする際、例えば「オムニキン、ピンク!」とコールして、どちらのチームがレシーブするかを指定する。かけ声の「オムニキン」は「身体のすべての感覚を使って楽しむ」という意味だ。

東京都キンボールスポーツ連盟協会 理事 白井圭子さん
東京都キンボールスポーツ連盟協会 理事 白井圭子さん

東京都キンボールスポーツ連盟協会理事の白井圭子さんは、その将来についてこう語る。

東京都キンボールスポーツ連盟協会 白井圭子理事
「キンボールスポーツは誰でもできる、勝負がありながら楽しいスポーツなので、みなさんになじみのあるスポーツになってもらいたい。小学校などでも授業で取り入れているところがある。普及していきたい」

2024年には「キンボールスポーツワールドカップ第11回大会」が開催される予定だ。
2015年の第8回大会では、男子日本代表が金メダルを獲得していて、今後の日本代表の活躍にも期待が高まる。

東京都スポーツ文化事業団の引場担当部長は、スポーツイベント開催の意義についてこう語った。

東京都スポーツ文化事業団 東京体育館副館長兼スポーツ事業担当部長 引場 信治さん
東京都スポーツ文化事業団 東京体育館副館長兼スポーツ事業担当部長 引場 信治さん

東京体育館副館長兼スポーツ事業担当部長 引場 信治さん
「高齢者の方、障害のある方、どなたでも気軽に参加できるイベントをということで開催した。コロナで体を動かす機会が減った方も多いと思うが、久しぶりに親子でさまざまなスポーツを気軽に楽しみ、喜んでいるみなさまの笑顔を見られて、開催できて本当によかった」

スポーツをきっかけに広がる地域のつながり

「スポーツフェスタ2023 in 東京体育館」には1万1600人が来場した。
2回目の開催となる今回は、eスポーツの体験コーナーを初めて設け、東京体育館・東京武道館・東京アクアティクスセンター・駒沢オリンピック公園総合運動場をオンラインで繋いだ。

eスポーツ「太鼓の達人」を真剣にプレー
eスポーツ「太鼓の達人」を真剣にプレー

また、スポーツを体験するブース以外にも、東京体育館周辺の店舗や商店街が出店するブースも設けた。イベントの主催者側はスポーツと地域の連携を大事にしている。そのスポーツを、その地域を、まずは知ってもらうこと。スポーツと地域の連携は競技力の向上にも地域の活性化にもつながるという。

10月21日には東京・立川市にある国営昭和記念公園で「スポーツフェスタ2023 in 国営昭和記念公園」が開催される。屋外でのさまざまなスポーツの体験に加え、地元の商店街と連携したケータリングカー企画や、地元を拠点とするプロスポーツチームによるプログラムなども楽しめるという。

【取材後記】

イベント当日の東京はあいにくの雨だったが、東京体育館の中は、スポーツの日を楽しむ多くの参加者で賑わっていた。普段あまりスポーツになじみのない私だが、子どもから高齢者の方まで幅広い世代が一緒に汗を流し、「ありがとう!またやろうね!」と楽しそうに話す姿を取材して、スポーツを通じて生まれる会話のきっかけを改めて感じた。スポーツによって生まれた人々のつながりがイベント会場内、会場同士、そして地域へと輪を広げていく。
取材・執筆:浅川由梨子
(「Live News days」10月9日放送より 一部情報を追加しています)  

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