不登校児などを受け入れるフリースクールの支援について、「国家の根幹を崩しかねない」と公の会議で発言。その要因として「不登校の責任は親」と滋賀県東近江市の市長が発言したことがわかった。18日に市長が釈明したが、発言は問題視されている。

「フリースクールの存在を認めてしまったことにがく然」と市長発言

17日、滋賀県で開かれた、「小中学生の不登校」について話し合う会議。そこで東近江市の小椋正清市長から飛び出た発言だ。

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東近江市 小椋正清市長:
文科省がフリースクールの存在を認めてしまったことにがく然としている。“フリースクール”といって、良かれと思ってやることが、本当に国家の根幹を崩してしまうことになりかねないくらいの危機感を持っているんです。

学校に行けない子供に、社会とつながる“居場所”を提供する「フリースクール」。昨年度、不登校の小中学生の数が全国で過去最多を更新する中、文部科学省は2023年3月、フリースクールなどを支援するプランを掲げた。

その支援を厳しく非難するとともに、会議の後、発言の意図を問われた市長は、「不登校になる大半の責任は親にある」などと話したのだ。

小椋市長は18日、改めて取材に応じ、「国の支援に対する批判だ」と釈明した。

東近江市 小椋正清市長:
フリースクールを否定するとか賛成するとかは一切言っていない。そこに至るまでの論議が十分尽くされているか。私は代表して問題点を指摘したつもり。

一方で、「不登校の責任の大半は親にある」という発言については…

東近江市 小椋正清市長:
親の責任は大きいですよ。それは私の感覚的なもの。

Q.突き放されると感じる人がいることは何も思わない?
東近江市 小椋正清市長:
思ってますよ。そういう風に受け止められてもやむを得ないだろうという覚悟があります。

市長の発言に「そんなことないのに」と市民

市長の発言を受けて、東近江市民は…

Q.「親の責任」と言われると?
小学生と中学生の母親:
親としては、もし自分がそういう(不登校の親の)立場になったら、気持ちがしんどくなるかもしれない。

市民:
同僚のお子さんが不登校ということがあって、子供のためにご飯作ったり、働いたりされてるので、親の責任って言われると、そんなことないのにって思っちゃいます。

「教育を受けたい場所を選べる社会に」

滋賀県内のフリースクールの代表は…

NPO法人Since 麻生知宏代表:
不登校は保護者の責任だとか、絶対子供はみんな学校に行かないといけないみたいな、根強い偏見が残っていると思います。その偏見こそ不登校の子が一番傷ついていること。必ずしも「学校で教育を受けなければいけない」ではなくて、いろいろな選択肢がある中で、子供が「この場所で教育を受けたい」という場所を選べる社会になればいい。

小椋市長は「説明不足だった」と話し、フリースクールへの支援についても議論を求めていくとしている。

(関西テレビ「newsランナー」2023年10月18日放送)

関西テレビ
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