10月になって気温が下がり、ようやく秋めいて来た九州。しかし、この時期、活動が活発化している「厄介もの」がいることをご存じか。2023年はおなかをすかせた「厄介もの」が、例年以上に暴れまわるかもしれない。

猛暑の影響…秋になって動きが活発に

蚊に刺された人:
手だけ刺されました。蚊が多い。夏だけかなと思っていたんですけど、いまの時期も多いです

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蚊に刺された人:
やっぱり気候の関係ですかね。夏があまりにも暑くて、急に涼しくなったから、蚊が急に出たのか、すごいですよ、ことしは

夏に動きが活発化するイメージが強い「蚊」だ。猛暑だった2023年の夏は、あまり蚊を見なかったという人もいたようだが、なぜこの時期に動きが活発化するのか?専門家に蚊の動きについて聞いてみると…。

ヤマザキ動物看護大学動物人間関係学科・長島孝行教授:
蚊が、最も活動する温度が25度から30度くらいと一般的には言われています

専門家によると夏の記録的猛暑の影響で、蚊も気温が高過ぎて日中活動できず、秋になってようやく動きが活発になっている可能性があるというのだ。

世界100カ国以上で流行の「デング熱」

そして、蚊をめぐって世界的に懸念が高まっているのが「デング熱」だ。デング熱は、日本にも広く生息する「ヒトスジシマカ」などが媒介する感染症で、急激な発熱と発疹、嘔吐(おうと)などの症状が見られる。

実はこのデング熱、現在、熱帯や亜熱帯地域を中心に100カ国以上で大規模な流行を見せているのだ。日本では2014年に、東京の代々木公園を訪れた10代の女の子がデング熱に感染する「国内感染」が、当時69年ぶりに確認され、全国で162人の患者が報告された。

長島教授は「かなりの国でデング熱が流行し始めている。蚊に刺されないことが一番。それぞれの国が蚊を増やさないこと。こういった努力をする必要がある」と話す。

世界で流行するデング熱について厚労省は、海外渡航者が帰国した際にウイルスを持ち帰るケースなどがあり今後、増加するおそれもあると注意を呼びかけている。

秋の蚊は「生存本能丸だしで血を吸う」

さらに2023年の9月は観測史上、最も暑かったので、真夏に活動を控えていた蚊が例年以上にいま、暴れているもよう。

長島教授によると「越冬する卵をたくさん産むために、秋は夏以上に必死になって生存本能丸だしで血を吸う」という。特に2023年は、夏場に血を吸えていないので、蚊もおなかがすいている状態なのだ。

福岡では、今後も最高気温が25度を超える日もあるので、“飢えた”蚊が暴れまわるかもしれない。さらなる注意が必要だ。

(テレビ西日本)

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