九州と本州を結ぶ関門トンネルの内部が20日、報道陣に公開されました。
福岡県北九州市門司区と山口県下関市を結ぶ「国道2号 関門トンネル」は、1958年3月の開通から67年が経つ海底トンネルです。
関門橋と平行する形で海峡を横切る3461メートルのトンネルは、年数の経過に加え海底という特殊な環境から老朽化が進んでいます。
今回、ネクスコ西日本は、維持管理のための設備の一部を報道陣に公開しました。
門司側と下関側にあわせて4カ所ある換気設備は、排ガスが混じったトンネル内の空気を新鮮な外気と入れ換えています。
◆記者リポート
「海底トンネルならではの設備の排水ポンプは、絶えず染み出す水を外に出す役割を果たしています」
1日約4800トンが壁から染み出すという湧水対策も欠かせません。
この水を外に排水できないと、わずか2~3時間でトンネルが水没してしまうため、17台のポンプを交代で動かして、海峡の両岸にある排水塔から地上に水をくみ出しています。
設置から25年が経つ排水ポンプを始めとした機器の更新や、トンネル自体の大規模な補修の費用は、全て通行料金で賄われるため、国は2025年9月で満了予定だった通行料金の徴収期限を、2045年まで20年延長することを決めています。
◆ネクスコ西日本九州支社 山本悠哉さん
「専門家から今後も長期的な安全性・健全性を確保するために、予防保全や更新を実施していく必要があるとの提言をいただいた。関門トンネルという非常に重要な大動脈を管理していくことが必要」
さらにネクスコ西日本は、料金所周辺の渋滞対策を検討するなど、地域に愛されるための利便性の向上を図りたいとしています。