“実りの秋”に要注意の毒キノコに、かじられたあとが…。食べてしまったのはいったい...?
北海道・札幌市郊外にある国営公園。
秋が深まる園内に現れたのは、“ベニテングタケ”という毒キノコだ。
公園のスタッフが確認したところ、何やら、ちぎられたあとがついている。
食べると30分ほどでめまいや幻覚、下痢、嘔吐(おうと)などの症状が現れ、まれに死に至ることもある。
もしかしたら、公園を訪れた人や子どもが持ち帰ったり、触ったりしたのではないかと不安に思った公園のスタッフは、キノコにカメラを仕掛け、見張ることにしたという。
待つこと1日。
カメラの前に現れたのは、モフモフの小動物・エゾリスだ。
前脚を器用に使い、ベニテングタケをもぐもぐ、もぐもぐ。
一心不乱にむさぼる、かわいらしい姿が映っていた。
この様子をX(旧Twitter)に投稿すると、「まるで絵本の世界」「毒は大丈夫?」などと大きな反響があった。
無我夢中でベニテングタケを味わったエゾリスは、まだ物足りないのか、しっかりお土産を口にくわえてカメラの前から姿を消した。
なぜ平気?リスと毒キノコに“共生関係”か
しかし毒キノコを食べて、このリスは大丈夫なのだろうか。
その後、調べると、公園内でリスの不審死が見つかったという情報はないようだった。
かなりの量を食べているため、何らかの耐性を持っているのではないかと思われる。
具体的・科学的に証明されているというものではないが、このリスと毒キノコの間には、何らかの助け合いの関係があるのではないかと思われる。
生物の多様性を研究している神戸大学大学院の末次健司教授によると、リスの食料となる代わりに、キノコの胞子が体の中で消化されずに、ふんとして排出されることで生息域が広がる“共生の関係”にあるのではないかとみられているという。
おいしそうに頬張るリスを見ていると忘れてしまいそうになるが、これは毒キノコ。
実りの秋を迎えるこの季節、皆さんはくれぐれも毒キノコにご注意いただきたい。
(「イット!」10月12日放送より)