プロボクシングの世界タイトルマッチが2023年10月8日に行われた。熊本市生まれの重岡優大・銀次朗兄弟が挑んだのは「正規王者」のベルト獲り。テレビ熊本はその裏側に密着した。見えてきたのは兄弟、そして家族の絆だった。

兄弟で目指す「正規チャンピオン」

プロボクシングの世界チャンピオンがケガなどで試合ができない間に設けられる「暫定チャンピオン」。世界ミニマム級でそのベルトを持つ重岡優大・銀次朗兄弟がそれぞれ「正規チャンピオン」との統一戦に臨んだ。

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重岡銀次朗選手:
集大成を見せたいですね、やっぱり。目指していたのは「暫定」じゃなくて「正規」の世界チャンピオンなんで。ただ目の前の相手をぶっ倒すだけです

弟・銀次郎、完全勝利で王座統一

いま日本で最も勢いのあるボクシング興行3150ファイト。その舞台で同じ日に熊本出身の兄弟が世界の頂点を狙う。

提供:ABEMA
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先にリングに上がったのは弟・銀次朗。1月の世界戦で無効試合を引き起こした因縁の相手、メキシコのダニエル・バラダレスと相対する。

重岡兄弟の父・功生さんも「ナイス、ナイス~!いいぞ!」と応援に力が入る。

第1ラウンド、得意のワンツーでいきなりダウンを奪うと、第5ラウンドでラッシュを仕掛けバラダレスをロープ際に追い詰める。

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実況:
止めた~!文句なし、完璧。重岡銀次朗、1月のあの悔しさを完全に払しょく。これで晴れてIBF世界ミニマム級正規チャンピオンに輝きました

兄・優大も父と弟に見守られリングへ

ベルトを奪った喜びもつかの間、銀次朗はすぐに控室へ。今度は兄・優大のセコンドにつくのだ。

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優大の相手は41戦・40勝のキャリアを誇るタイのパンヤ・プラダブスリ。「絶対王者」の称号で知られるチャンピオン相手に、優大は序盤からスピード・パワーで上回る。

幾度となく正規王者をぐらつかせ、KOへの期待感が高まり始めたこのとき、幼いころから兄弟を指導してきた父・功生さんだけが優大の異変に気付いていた。

兄弟の父・功生さん:
優大、拳痛めとるかも

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重岡優大選手:
俺の心境も本当わかってくれてる。的確なアドバイス。弟がいるといないでは俺の心の安心度が違うなって

兄・優大も勝利、兄弟は史上初の快挙達成

正規チャンピオン・パンヤも意地を見せ、12ラウンドフルに戦い抜いた両選手。勝負の行方は判定へとゆだねられる。

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場内アナウンス:
WBC世界ミニマム級チャンピオン、重岡優大~!

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3対0の大差判定で正規王者のベルトを奪った優大。兄弟で同じ日に同じ階級のベルトを統一するというプロボクシング史上初の快挙を達成した。

家族を思って涙をぬぐう場面も

兄・優大は試合後の会見で「お父さんが試合中『優大拳痛めてますね』って言ってたんですよ」と見守った家族のことを問われ、涙をぬぐう一面もあった。

重岡優大選手:
本当、熊本好きだし。家ではおじいちゃんとおばあちゃんがスマホの小さい画面で応援してくれてたりとかしてるの考えると、早く帰ってみんなで勝利を喜び合いたい

(テレビ熊本)

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