「日本酒で乾杯しよう!」という全国でも珍しい佐賀県の条例が制定10周年を迎えました。日本酒で乾杯しなくても“罰則”があるわけではありません。その心は「日本酒ファンを増やしたい!」との思いです。

乾杯はビールではなく日本酒で

佐賀県で10周年を迎えた「佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例」。

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佐賀駅前交流広場では「佐賀酒乾杯条例10周年記念イベント」が開かれ、おつまみのいいにおいや日本酒の甘い香りが漂いました。

イベントには、県内22の酒蔵自慢の日本酒を楽しみに大勢の人が訪れ、「コロナでにぎやかな会がなかったので、久しぶりににぎやかにやれて、すごく楽しい」と喜びの声が聞かれました。

全国的にもかなり珍しい「佐賀県産の日本酒で乾杯しよう」という“条例”が制定されたのは2013年6月、今から10年前です。

訪れた人は条例について「なんとなく聞いたことあるかなくらい…」と話しますが、条例にのっとり、しっかりと日本酒で乾杯!

佐賀県流通 貿易課・梶原千紗都さん:
佐賀のお酒で乾杯しましょう、ということで、皆さん1杯目はビールじゃなくて日本酒で乾杯をしてもらい、少しずつでも佐賀のお酒が広がっているんだなあという風には感じています

減少続く“日本酒”の酒蔵

県内で日本酒を作る酒蔵は、20年前は35軒、10年前は29軒、現在は23軒と減少傾向にあります。一方、2019年の1世帯あたりの清酒の消費支出金額は佐賀が全国1位に。

県内有数の酒どころ鹿島市では、市内の酒蔵を巡ることができる「酒蔵ツーリズム」も開かれていて、2日間に約10万人が訪れます。

梶原さんは「県としてもなかなかイベントができなかったというのはあったけれども、コロナが明けたということで、県としては今後も積極的にPRをやっていきたい」と期待を込めました。

“罰則なし”焼酎とのコラボも

この条例、日本酒で乾杯しなくても罰則があるわけではありません。

イベントでは、2023年の国体の舞台、鹿児島県とのコラボブースもあり、焼酎が振る舞われました。

鹿児島県商工労働水産部の福森光信さんは、3年前から国体を契機とした県産酒交流プロジェクトに取り組んでいますが、コロナの関係で今回ようやく初めて佐賀に来ることができたと話し、「皆さんに焼酎を飲んでいただけて、すごくうれしく思っている」と声を弾ませました。

梶原さんは「すでに多くの方に『佐賀の酒』のファンになっていただいているけれども、さらに『佐賀の酒』ファンの輪を広げていきたい」と語りました。

(サガテレビ)

サガテレビ
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