最近のコンビニやスーパーでは、セルフレジやスマホ決済が当たり前になりつつある。そんな中で、さらに進んだ店舗が誕生する。
株式会社ダイエーと株式会社NTTデータが横浜駅西口に10月27日オープンする「CATCH&GO」は、レジもなく商品を持って店を出ると自動的に会計が行われるのだ。通行量がある道に面してこのような仕組みの店舗を開設するのは国内初という。

「CATCH&GO」の広さは約50平方メートルで、営業時間は7~23時。店内には弁当や飲料、菓子など約400品目を陳列し、1日に1000人の来客を見込んでいる。
なお、この店で買い物をするには、あらかじめスマートフォンの専用アプリにクレジットカードなどの決済手段を登録しておく必要がある。そして来店時に、客はまずスマホアプリに表示されるQRコードを入店ゲートにかざして入店。店内では好きな商品を手に取り、そのまま店の外に出ると自動的に会計処理が行われ、レシートがスマホに送られてくるという仕組みだ。

客が手に取った商品は、店舗の上部に設置したカメラと商品棚の重量センサーで見分け、棚に戻したことも認識するそうだ。また、一緒に入店した子どもや友達が手に取った商品は、親など1人のアカウントから決済されるという。
バーコードを読み取る手間も精算の手間もいらないため、混雑する通勤時間帯などでもレジでの決済待ちの必要がなく、スムーズな商品購入が可能だとしている。
ちなみに、ダイエーはこれまで東京・江東区豊洲のオフィスビル内に、スマホアプリを使って施設従業員だけが使えるレジ無し店舗を開設しており、利用者からは次のような声がでているそうだ。
・非常に快適で衝撃的な体験だった
・知り合いに自慢したくなる
・一度体験するとレジ待ちが苦痛になり後戻りできなくなってしまった
・未来のスタンダードになると思う
会計は「約99.9%の精度」
たしかにレジの手間がなくなれば大幅な時間短縮になりそうだが、ここで心配になるのは会計を間違えることはないのだろうかということだ。また、もし間違って購入した場合はどうしたらいいのだろうか
NTTデータとダイエー両社の担当者に聞いてみた。
――商品ラインアップは普通のスーパーやコンビニと何か違うの?
隣接するイオンフードスタイル横浜西口店で販売している商品のうち、弁当、カップ麺、スナック菓子、飲料など、よりスピーディなお買い物のニーズが高い商品を集約して展開いたします。
――買い物の際に、手に取った商品はすぐバッグなどに入れていいの?
はい、問題ございません。
――会計を間違えることはない?
豊洲の店舗で改良を重ねたことで、約99.9%の精度まで高めています。
――商品を間違えて買ってしまった場合はどうしたらいい?
利用者向けアプリ内のメニューに、問い合わせ機能がありますので、そちらからご連絡頂き、返金の手続きを行うことになります。また、店舗でもサービスカウンターへお持ちいただければ、返品の対応をいたします。
カートやサッカー台の設置はなし
――ちなみに、店内にはサッカー台・カート・カゴ・ポリ袋・氷・ドライアイスなどはあるの?
サッカー台・カート・カゴ・ポリ袋・氷・ドライアイスはいずれも設置いたしません。CATCH&GOは手に取ってそのままお手持ちの袋などに入れていただくというお買い物方法のため、カゴやカート、サッカー台を必要としないと考えております。
――同じ規模の店舗より人員は少なくてすむ?
同様の面積の店舗はございませんので、比較は難しいのですが、レジが無いことにより、精算に関する設備投資ならびに人時(にんじ)を必要とせず、商品の製造、補充、接客など他の業務へ経営資源を振り向けることができると考えています。
――今回は実証実験なの?他の場所へも出店していく?
実証店舗ではなく、一般のお客様にご利用いただくものです。今後、お客様から頂く評価を考察しながら、拡大計画を練って参ります。

店舗によってはスマホで決済できたり、今や様々な会計の仕方が登場している。レジ待ちが苦手だと感じている人は、「CATCH&GO」のような店舗が向いているのかもしれない。