プロバスケットボールB2の山形ワイヴァンズは、10月7日(土)、ホームで今シーズン開幕戦を迎える。背番号24・キャプテンで山形・上山市出身の鈴木大選手と、背番号13・新加入で山形市出身の阿部龍星選手に、ヘッドコーチを含め大きく変わったチームについて、そして今シーズンへの意気込みを聞いた。

鈴木選手はプロとして“初キャプテン”

山形・上山市出身で日大山形高校卒業した鈴木大選手は、現在33歳。183cmのポイントガード兼シューティングガードだ。

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山形は2シーズン目で、持ち味の3ポイントシュートはもちろん、今シーズンはキャプテンとしてチームを引っ張っていく役割が期待されている。

鈴木選手は、これまでのバスケ人生でキャプテンを務めたことはあるのだろうか。

プロとしてキャプテンを務めるのは初
プロとしてキャプテンを務めるのは初

鈴木大選手:
小学校と中学校・大学の時はキャプテンを務めていましたが、プロとしてキャプテンをするのは今回が初めてです

プロ11年目で初めてのキャプテン。「気づいたら最年長だったので、オンコート・オフコート関係なしに、コミュニケーションをたくさんとっていきたいと思ってます」と心掛けていることを語った。

阿部選手「大きな期待感じる」

現在28歳の阿部龍星選手は、山形市出身で山形南高校卒業。

実業団チームを経て、B1の横浜ビー・コルセアーズ、昨シーズンはB3の立川でプレーし、今シーズン山形に加入したプロ3年目だ。181cmのポイントガードで、スピードを生かしたアグレッシブなプレーが持ち味。

プロとして初めて地元でのプレー
プロとして初めて地元でのプレー

阿部選手はプロとして初めて地元でプレーする。山形県民からの大きな期待を感じているようだ。

阿部龍星選手:
同級生だったり、山形にいる人たちから連絡をもらったりしてます

高校時代の2人に迫る!

2人の高校時代の写真を見せてもらった。

高校時代の鈴木選手 なんとレギュラーではなかったという
高校時代の鈴木選手 なんとレギュラーではなかったという

鈴木選手の写真は高校3年生のときだ。実は鈴木選手、高校時代はレギュラーではなかったそうだ。「スタメンでバンバン試合に出るというより、シックスマン的な交代で試合にからむのがほとんどだった」と話す。

そこからプロになって11年目。

鈴木大選手:
実際11年目ですけど、こんなにやれると思っていなかったですし、高校の3年間が大学に行った時に生きたなとすごく感じています。そこからプロになろうという気持ちがよりいっそう強くなったと思います

阿部選手の高校時代 あまり変わっていない…?
阿部選手の高校時代 あまり変わっていない…?

阿部選手は高校時代の写真とあまり変わっていないように見えるが、「髪の毛も高校の時は短かったんで、大人っぽくなったかな…」と話す。

昨シーズンまで山形にいた村上駿斗選手(左)・阿部龍星選手(右)は、同じ山形南高校
昨シーズンまで山形にいた村上駿斗選手(左)・阿部龍星選手(右)は、同じ山形南高校

阿部龍星選手:
(当時の山形南高校は)3年間、全国大会にも出てますし、昨シーズンまで山形にいた村上駿斗選手が同級生で副キャプテン。自分がキャプテン

山形南高といえば、名将の細谷尚寿監督が有名。阿部選手もかなり鍛えられたようだ。

阿部龍星選手:
厳しい環境でもありましたし、それが自分のためになったな…と思っています

県内出身の齋藤瑠偉選手(23)
県内出身の齋藤瑠偉選手(23)

そしてワイヴァンズは昨シーズンに引き続き、背番号95・酒田市出身で羽黒高校卒業の齋藤瑠偉選手(23)もいて、山形県出身選手は3人となる。県内出身選手が3人もいることに鈴木選手は「ぼくたちもうれしいですし、盛り上がっているんじゃないかと思う」と笑顔を見せた。

新たな指揮官を迎え…

昨シーズンのワイヴァンズは26勝34敗、東地区で7チーム中6位。順位は低迷しているように見えるが、東地区は大混戦で、最後の青森との試合に勝っていれば、あと1勝していれば、プレーオフに進出できたという状況だった。

昨シーズンを振り返ってみてどう感じたのだろうか。

「1試合・1試合の重みをあらためて感じた」と話す
「1試合・1試合の重みをあらためて感じた」と話す

鈴木大選手:
最後の試合で決まってプレイオフという場面は、なかなか経験できない。シーズン60試合ありますが、1試合・1試合の重み…本当に大事だなというのをあらためて感じたシーズンでした

その悔しさを晴らすため、ワイヴァンズは今シーズン、新たな指揮官を迎えた。

石川裕一ヘッドコーチはワイヴァンズ創設時のメンバー
石川裕一ヘッドコーチはワイヴァンズ創設時のメンバー

ワイヴァンズの創設時のメンバーだった、石川裕一ヘッドコーチだ。昨シーズンまでB2・香川を指揮し、西地区優勝に導いた実績がある。

同級生だという鈴木選手は「香川時代には地区優勝させてますし。今年の夏の練習は全部ではないですが、一緒に練習に混ざってやってくれたり。チームのことを一番考えてくれてますし、同級生ですけどヘッドコーチをしていてすごいなと思う」と力を込めた。

練習では石川ヘッドコーチがパスを出していたが、そういったことをするヘッドコーチは少ないという。

鈴木大選手:
あまりいないですね。パス出しもですが、夏の練習では実際に5対5に入ってくれたり、そういうこともしてくれたので

一方、阿部選手は石川ヘッドコーチについて「コミュニケーションがとりやすい」と話す。

阿部龍星選手:
聞いたことに対しプラスでほかのことも教えてくれたりするので、とてもやりやすいコーチだと思います

石川コーチは「やさしい」んだそうです
石川コーチは「やさしい」んだそうです

切れ長の目で、ちょっと怖そうな感じに見えるが、実際は…?との質問に、2人で目線を合わせ「やさしいですね」と答えた。

新チームの雰囲気は「すごくいい」

石川ヘッドコーチを迎えたことに加え、今シーズンは選手も大きく入れ替わった。

大黒柱のジェームズ・ベル選手も継続
大黒柱のジェームズ・ベル選手も継続

選手14人中6人が継続、8人が新加入。昨シーズン、大黒柱の働きをしたジェームズ・ベル選手(31)が残り、新たに外国籍選手2人が加入した。

福島から加入した村上慎也選手(32)
福島から加入した村上慎也選手(32)

日本人では、福島から村上慎也選手(32)、福岡から白戸大聖選手(28)と実績のある選手が加入している。そんなチームの雰囲気は「すごくいい」と、鈴木選手は話す。

鈴木大選手:
村上慎也選手だったり、継続している柳川龍之介選手だったり、練習中に叫ぶくらい声を出して、ムードメーカー的存在ですし、雰囲気はいいと思います

鈴木大選手と村上慎也選手が同い年で、1つ下に柳川選手。年齢の高い選手がチームを盛り上げ、それに乗っかり若手も声を出してくれているという。

新加入の阿部選手から見ても、チームの雰囲気は「練習や試合を重ねていくごとに、いいチームになっていってるなという印象がある」ということだ。

福岡から加入した白戸大聖選手(28)、阿部選手と同期で同じ学年
福岡から加入した白戸大聖選手(28)、阿部選手と同期で同じ学年

阿部選手は仲のいい選手に白戸大聖選手を挙げている。「同期で、同じ学年。仲がいいかなと思う」とのこと。刺激し合っているのだろう。

石川ヘッドコーチのもと、新たなワイヴァンズが目指すバスケットボールというのは、どういうスタイルなのだろうか。

鈴木大選手:
今シーズンはオールコートからディフェンスでプレッシャーをガンガンかけて、外国籍選手もみんな足のある選手なので、関係なくプレッシャーをあてて、そこからみんなで走って、どんどん速い展開でバスケットをしていく。それが今シーズンのスタイルになってくると思います

「楽な試合はひとつもない」

今シーズンのB2リーグを戦うクラブの顔ぶれを見てみる。

チーム数は変わらず、東西それぞれ7チーム。山形が入る東地区には、B1から降格してきた新潟と、B3から昇格してきた岩手が入っている。各地区の上位3チームと、それ以外のチームの中の上位2チームがプレーオフに進出する。

昨シーズンにも増して熾烈(しれつ)な東地区になりそうだ。「B2も年々レベルが上がっているし、本当に楽な試合はひとつもないかなと思う」と鈴木大選手は気負い立つ。

そして迎えるホームでの開幕戦。10月7日(土)と8日(日)、上山市で福島ファイヤーボンズと対戦する。チケットは残りわずかだ。

地元での開幕に鈴木選手は「すごく楽しみですし、今からワクワクしている」と話し、阿部選手も「シーズン60試合と長いようで、始まったらあっという間なので、自分たちの目標を達成できるように、がんばっていきたい」と今シーズンへの意気込みを語った。

最後にキャプテンから、開幕を楽しみにしているブースターにメッセージを送った。

「みなさんと一緒に突き進んでいけたら」とメッセージ
「みなさんと一緒に突き進んでいけたら」とメッセージ

鈴木大選手:
今シーズンもスローガンは「共創進(きょうそうしん)」なので、ひとつの目標に向かって、まずはプレイオフだと思いますが、そこに向かってみなさんと一緒に突き進んでいけたらなと思っていますので、今シーズンも応援よろしくお願いします

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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