韓国・鬱陵(ウルルン)島にある「亀岩」と呼ばれる大きな岩の一部が突然崩れ、観光客4人がケガをした。島内にはこうした危険地帯が35箇所あるが、予算不足などのため6割以上が整備されておらず、こうした崩落が頻繁に起きているという。

観光客の目の前で巨大岩が崩落

崩落事故は2日朝に起きた。崩れたのは「亀岩」と呼ばれる観光スポットだ。崩落前の画像を見ると、巨大な岩は甲羅から頭を出したカメのように見える。

事故直前の「亀岩」。うっすらと亀裂が入っていた。
事故直前の「亀岩」。うっすらと亀裂が入っていた。
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事故直前の映像では、その頭の部分にうっすらと亀裂が入っているのがわかる。岩は、その部分から崩れ落ちた。崩落直後に撮影された映像では、現場周辺に岩の破片が散らばり、一部が車を直撃しているのがわかる。

崩落する「亀岩」
崩落する「亀岩」

現地の報道によると、崩れた岩の重さは400トン余り。この崩落で、近くにいた20代の女性1人が頭に大ケガをするなど、観光客4人がケガをしたという。

崩落直後の様子。岩の破片が散らばり、一部が車を直撃。
崩落直後の様子。岩の破片が散らばり、一部が車を直撃。

浦項南部消防署の消防士は、当時の状況について、「岩が崩れて石が観光客に当たり、さらに崩れてきたから、よけようと前に走ったが、そこが海だったためよけきれず、1人の頭に石が当たった」と説明した。

崩落危険地域の6割以上が未整備

鬱陵島は元々傾斜が急で、頻繁に崩落が起きている。1週間前にも3万トン余りの土砂と岩が崩れ落ち、道路を寸断する事故が起きたばかりだった。

「亀岩」崩落で約400トンの落石と土砂が発生
「亀岩」崩落で約400トンの落石と土砂が発生

島には崩落危険地域とされる場所が合計35カ所あるが、予算不足などの理由から、その6割以上が整備されていないという。鬱陵郡の道路土木チーム長は、「(資金計画上)毎年2カ所ほどの予算しかないため、危険地域全てを一度で整備することができないのが実情」だと話す。

また、最近降った大雨の影響で、島の地盤がさらにもろくなり、危険性が高まった可能性があるとされている。
(「イット!」10月4日放送より)

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