3日、働く意欲のある55歳以上を対象に、これからの働き方について考えてもらおうと「シニアしごとEXPO」が開催された。人手不足の影響でニーズが高まっている中、参加者は様々な理由で、自分に合った職種や働き方を探していた。一方、雇う側である企業には、選考にあたり知っておきたいポイントがあるという。
俳優の片岡鶴太郎さんも登場
働く意欲のあるシニアの就業を応援するイベントが都内で開催された。

東京都新宿区で開催された「シニアしごとEXPO」は、働く意欲のある55歳以上のより多くのシニアに、これからの働き方について考えてもらうイベント。
会場には、派遣から正社員まで様々な働き方や職種を紹介するブースや、配膳ロボットと一緒に働く就業体験ブースもある。
基調講演には俳優の片岡鶴太郎さん(68)も登場した。
片岡鶴太郎さん:
「マッチです」から始まりました。ものまねから始まり、ひょうきん族があったり。5つの違う分野の新しい世界に踏み出しました。

「シニアジョブ」と言っても、フルタイムで月給をもらう場合や、教員だった人が地域の子どもたちの宿題を見て時給を受けるなど、職種も働き方も様々だ。
参加者:
デスクワークの人生だったので、例えばコーヒーショップとか全く違う分野で楽しいと思えるところで仕事ができたらいいかなと。
都の担当者は「働き手不足で、シニア活躍のニーズも高まっていて、それぞれの体力や意欲に合った選択肢を増やしていきたい」と話していた。
参加費は無料で、次回は10月18日に八王子で開催される。
「何歳まで働きたいか」伝えるのがポイント
このニュースについて、社会部の小川美那・都庁キャップに聞いた。

就職というと大卒・高卒など、若い人のイメージがあるが、なぜ今50代以上の就職活動が活発になっているのか。その1番大きな要因は、人手不足の影響だ。
そして、年金だけでは足りないといった、金銭面で転職や就職を考えている人、金銭的に余裕があっても家で暇しているのはよくないということで働きに出るという人もいて、目的は様々だ。

取材に応じた65歳以上の方々の多くは「無理のない範囲で」として1日2~5時間、週2~3日働いて月3万円から5万円もらいたい、という人が多かった。

そして、雇う側である企業の選考のポイントとなってくるのが、「いつまで働くか伝える」だ。
50歳以上の求人専門の人材会社によると、企業側は「この人はいつまで働いてくれるのか」と不安になるので、「何歳まで何年間働きたいか」を書くと書類選考通過率が大幅アップするという。
その際、偉そうに見えると敬遠されるので表彰歴は書かない、経歴は直近10年程度を3分以内にまとめるなどのアドバイスがされていた。

企業の担当者は、若手の教育係としてシニア層を採用する会社が増えているとした上で「60代と20代は相性が良い」と言っていた。
年齢差が大きいので反発し合うこともなく、60代が20代の世話をしている間に、30代や40代が働けるからだという。
その場合も、若い人に嫌がられないように、過去の話はしない方が良いそうだ。
(「イット!」 10月3日放送より)