現職の福井県議会議員に貸し出している14金製の議員バッジについて、辞めた複数の元県議が金メッキ製の「レプリカ」を議会事務局に返却していたことが分かった。

返却されたバッジ 実は“レプリカ”

複数の元県議が、議会事務局にレプリカの金メッキ製バッジを返却していたことが分かり、このうち6人は特定されていて、「紛失した」などと回答。規定では紛失の際は直ちに届け出が必要と定められており、規定違反が放置されていた。

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本物の議員バッジは14金製で、4月時点の購入価格は7万円余り。レプリカは金メッキ製で、価格は4,000円ほどだという。17倍の価格差があるが、2つを並べると一見して違いは分からない。

福井県議会では初当選した県議に議員バッジを貸し出している。「福井県議会議員記章規定」には、バッジの裏に14金製を示す「K14」の刻印があるものを着用することが定められているが、レプリカにはこの表記はない。

そもそもレプリカの着用自体が規定に違反している。また、規定では職を辞した場合には「速やかに返還しなければならない」とも定められている。

県議会事務局は2023年8月、他県で同様の事案があったため調査したところ、辞めた県議から返却されたバッジ69個のうち11個のレプリカを確認した。6個に1個ほどが“複製品”だった。

現在、ほとんどの県議が紛失や劣化を防ぐためレプリカを着用しており、何らかの理由でそれが返却されたとみられる。

県議会議会局・松本伸江次長:
(県としても)管理上もっときちんと確認すべきだった。議員の方もきちんと本物を返すという意識が必要だった。双方とも「借りたものは返さないといけない」という意識を強く持っていきたい

チェック体制強化など再発防止へ

返却されたレプリカ11個のうち6個は、付箋などで名前の記載があったため元県議が特定されている。元議員やその家族は聞き取りに対し、「紛失した」「探している」などと回答しているという。

残りの5個は、誰から返却されたかの記録が残っておらず、返還請求ができない状況だ。

規定には、紛失や壊すなどした場合について「直ちに届け出て再交付を受けなければならない」とし、「その場合には実費を徴収する」としている。県議会事務局は、特定できている元議員に対しては紛失届の提出を求めている。

再発防止策として、事務局側では今後、チェック体制を強化する。また、バッジを貸し出すという方式の見直しなど、他県の事例をもとに規定の変更を含め検討していく。

(福井テレビ)

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