2022年3月にアイルランドの首都ダブリンで行われた体操イベントでの表彰式で、黒人の少女だけがメダルをかけられなかった問題。1年半が過ぎた2023年9月に、アイルランド体操協会が黒人の少女と家族にようやく謝罪するも、職員の女性をかばうような内容に批判は収まらず、改めてコメントを発表する事態になった。

表彰式の動画には、プレゼンターの女性が、次々と白人の子どもたちの首にメダルをかけていくなか、黒人の少女だけを飛ばして次の少女へメダルをかける様子が映っていた。飛ばされた黒人の少女は困惑した様子で女性の方を見つめている様子も分かる。
世界中のメディアが厳しい目を
この映像がSNSを中心に拡散され、世界中のメディアが厳しい目を向ける事態となっている。

CNN(アメリカ):
黒人の少女が表彰式で無視された。
ガーディアン(イギリス):
ひどく失望した。
BBC(イギリス):
映像は最近になり、SNSで何百万回も再生された。

人種差別だとする批判が相次ぐ中、事態を重くみたアイルランド体操協会は、問題の表彰式から1年半が過ぎた2023年9月22日、「職員は故意にメダルを渡さなかったわけではない」とするコメントを発表した。
表彰式から1年半、協会がようやくコメント発表も...
職員の女性をかばうようなこのコメントは、多くの批判に拍車をかけた。
今回、1年半前の動画が多く再生されるきっかけの1つとなったのが、リオデジャネイロ五輪の女子体操で4つの金メダルを獲得したアメリカのシモーン・バイルス選手の発信だった。

黒人の少女だけがメダルがもらえなかったことについて、バイルス選手は自身のSNSに「この動画が拡散している時、彼女の両親から連絡をもらいました。 動画を見て、とても心が傷ついたので、彼女にビデオメッセージを送りました。どんなスポーツにも人種差別があってはなりません」と投稿した。

批判の高まりを受けて、アイルランド体操協会はあらためて「あの日の出来事はあってはならないことであり、深くおわび申し上げます。いかなる形であっても人種差別を非難することを断言します」と、コメントを出した。
黒人の少女と家族にようやく謝罪した体操協会。しかし遅すぎる対応に、多くの人が不信感を募らせている。
(「イット!」9月27日放送より)