コンビニやスーパーでペットボトルの白湯(さゆ)を見かけることが増えた気がしないだろうか?そもそも白湯とは、水を沸かした後、飲める程度に冷ましたものだ。

実は白湯の需要が高まっており、アサヒ飲料は9月19日に「アサヒ おいしい水 天然水 白湯」を通年商品として発売した。

中味は「アサヒ おいしい水 天然水」と同じ、ミネラルを含む地層を通った天然水(ナチュラルミネラルウォーター)を使用。コンビニなどのホット飲料コーナーに置かれ、白湯の適温とされる約50~60℃に温めた状態で販売している。

「アサヒ おいしい水 天然水 白湯」(画像提供:アサヒ飲料)
「アサヒ おいしい水 天然水 白湯」(画像提供:アサヒ飲料)
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なお昨年11月に同商品は期間限定品とした発売したが、好評だっただめに販売を継続。これを今回、中味が冷めにくい不織布素材の保温ラベルを採用した形にリニューアルした。温かさが長持ちするとのことで、実際、商品を55℃まで加温し、気温10℃の環境で温度変化を測定し比較したところ、温かさ(液温40℃以上)が約1.3分長く持続したことを確認したという。

また、昨年発売した際には、「ずっと発売して欲しいと思っていた」といった商品の発売に関する声の他、「ノンカフェインで助かる」「シンプルにおいしい」「夏場でも販売してほしい」といった声が寄せられ、2023年4月末までの累計販売本数は当初の販売計画の約3倍となっていたとのことだ。

新商品は容量が340mlで、メーカー希望小売価格は113円(税込)となる。

しかし、ミネラルウォーターは一般的になったと思うが、白湯を購入する人は多いのだろうか? そもそも白湯はどんな人が求めているのか? 

アサヒ飲料の担当者に詳しく話を聞いてみた。

SNS「今年も発売してくれてありがとう」

――中味が冷めにくい不織布素材の保温ラベルを新たに採用した理由は?

当社の調査によると、ホットの飲料(白湯に限らず)には「温かさの持続」が求められていることが分かったため採用しました。また、外出先で温かい「白湯」が飲みたいというお客さまに対し、屋外の寒い環境でも、保温ラベルを採用することで温かさがより長くつづく商品で、そのニーズにお応えできると考えたからです。


――今年も白湯を発売することを発表した反響は?

ニュースリリースを配信して数日の段階ですが、弊社お客様相談室に発売への感謝のお言葉をいただいたいます。SNSでも「今年も発売してくれてありがとう」など同様の反響をいただいております。


――白湯を飲む人は多いの?

外部の調査会社のデータによると、「白湯の飲用経験率」は2022年は61.0%となっています。白湯は女性が飲むことが多いと思われがちですが、女性は67.5%、男性は54.4%となっています。

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用途は「薬を飲む時」「カフェインがダメ」

――どんな人が白湯を求めていると思う?

ご購入いただいたお客さまからは「薬を飲む際に」「水筒を持ってこなかった日に」「カフェインがダメなので」「乗り物酔いの時」「味がいらないとき」「朝イチ体を温めたい時」など、様々な用途、シーンでご購入いただいているようです。

また、これまで自宅で朝に「白湯」を飲む習慣があった人が外出先でも手軽に飲みたいという場合や、白湯を習慣化したいのに忙しい時や時間がない時は飲めないという場合にも手に取っていただいていると考えています。朝や出勤のとき、コンビニやスーパーなど、通勤中に立ち寄る場所で手軽に購入いただいています。


――2014年には「アサヒ 富士山のバナジウム天然水 ホット」を発売したが、当時は白湯の需要は少なかった?

当時は女性を中心に「白湯」が支持し始められてきていましたが、まだ多くの生活者にまで「白湯」が定着していなかったと捉えています。飲用経験率の増加や話題性などから考えると、2014年当時よりも現在のほうが需要は高いと考えられます。

白湯について調査していくうちに昔に比べ白湯の飲用経験率が増加している点や女性だけでは無く、最近では男性も女性と同程度の飲用経験があることが分かりました。

また実際に弊社の男性社員に白湯について聞いたところ好意的な意見が多く、改めて白湯にはニーズがあると確信しました。白湯の飲用経験率の高さ、社内での動向調査などを踏まえ再度商品化いたしました。


――なぜ今、白湯が人気なの?

健康意識や美容意識の高まりで、ミネラルウォーターを日常的に「白湯」で飲む方がさらに増えており、今後もミネラルウォーター市場は拡大していくと考えています。お客さまのニーズは多様化しているため、商品の更なる多様化が求められると考えています。


――今後、白湯を買う習慣は根付いていくと思う?

白湯は習慣性が高い一方で、自分でつくる場合、外出先で飲みたい時に飲めないなど不満点は多く、手軽に飲むことができるPETボトルの白湯の市場は拡大すると見込んでいます。当社としては、多くのお客さまに商品を手に取っていただきたいと考えています。

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白湯は、「体を温めたい時」「薬を飲む時」「味がいらない時」など様々な用途で求められているようだ。ミネラルウォ―ターを買う習慣が根付いたように、白湯を買う習慣が根付くのも近いかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。