2023年11月、JR長崎駅の新しい駅ビルがホテルを除いて開業する。新幹線開業から9月23日で1年を迎えた長崎駅。駅周辺の再開発もきっかけに長崎の街に新しい流れを作る拠点としての期待が高まっている。

「アミュプラザ長崎新館」アンバサダーには俳優の仲里依紗さん

JR長崎シティ・赤木征二社長:
長崎に新しい気分を生み出したいという思いをこめて、開業プロモーションコンセプトを「new mood」にしたことを発表します

アミュプラザ長崎新館のコンセプト「new mood」
アミュプラザ長崎新館のコンセプト「new mood」
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アミュプラザ長崎新館のコンセプト「new mood」は、訪れる人に新鮮な気持ちを持ってもらいたいという思いが込められている。

2023年11月10日の開業を盛り上げるアンバサダーには、長崎・東彼杵町出身の俳優、仲里依紗さんが就任した。

俳優の仲里依紗さん
俳優の仲里依紗さん

俳優・仲里依紗さん:
私にとって、とっても思い出の多いアミュプラザ長崎なので新館の開業がすごくワクワクしています

ポスターやCMでは、仲さんが着た長崎の風景が描かれた衣装が徐々に変化していく仕掛けもあるという。

JR長崎シティ・赤木征二社長:
全ての世代、色々な世代の方から好感度が高い方。ファッションの面でも発信力があると期待している

「選ぶ楽しさ」を届ける 新館には86店舗の出店決定

長崎の「陸の玄関口」として駅や駅ビルには、細部にまでこだわりが詰まっている。

駅のデザインについて語る内田さん
駅のデザインについて語る内田さん

JR長崎シティ営業部開発プロジェクト担当部長・内田誠一郎さん:
駅のデザインと新館のデザイン、レンガ調や鉄だったり、長崎の産業(革命)遺産からインスパイアされて作られた

提供:JR長崎シティ
提供:JR長崎シティ

開業する新館には、地上1階から4階までに86店舗の出店が決まっていてセレクトショップや海外のコスメブランドなど「選ぶ楽しさ」を届ける。

また総合家電量販店やアミューズメント施設も入り、幅広い世代の生活に彩りを添えたいとしている。

長崎初出店は39店舗、九州初出店は3店舗だ。

長崎初、九州初にこだわったと語る内田さん
長崎初、九州初にこだわったと語る内田さん

JR長崎シティ営業部開発プロジェクト担当部長・内田誠一郎さん:
今までは福岡に行ったかもしれないが、地元・長崎で買い物がたくさんできる。「意外と楽しいな」と感じてもらえるように長崎初、九州初、というところをこだわって今回はテナント調整した

店の数は、今のアミュプラザ長崎と長崎街道かもめ市場もあわせると246店舗になる予定で、施設の間ですみ分けもされている。

JR長崎シティ営業部開発プロジェクト担当部長・内田誠一郎さん:
長崎街道かもめ市場は、長崎の玄関口ということもあり、「長崎ファースト」というコンセプトをもとに長崎の店、長崎の良いもの、土産、食事にこだわった。「飲食店に入ってほしい」との要望も聞いてはいたが、(新館は)あくまでも「カフェ」という形での数店舗に限っている

「駅からまちなかへ」 長崎が面として発展していくゲート

さらには「駅からまちなかへ」の流れも考えられている。

駅前商店街の様子
駅前商店街の様子

JR長崎シティ営業部開発プロジェクト担当部長・内田誠一郎さん:
駅だけで終わるのではなく、例えば買い物はアミュでしよう、食べるものは長崎の街にいっぱいおいしいものがあるから浜町に行ってみよう、駅前の商店街で食べてみよう、と。ここだけでおさまるのではなく、ここから街に広がっていく。長崎が面として発展していくゲート、玄関口になればいいなと

イベントもできる憩いの場「かもめ広場」も期待

新館に隣接する新しい「かもめ広場」は、イベントもできる憩いの場として活用が期待されている。

新しい「かもめ広場」
新しい「かもめ広場」

最も目立つ場所には「時計」を映し出している。

目立つ場所に設置された時計
目立つ場所に設置された時計

JR長崎シティ営業部開発プロジェクト担当部長・内田誠一郎さん:
駅を利用する人は時間を意識することもあるし、東京駅や博多駅、札幌駅もあるが、駅の象徴として「時計」をこの長崎駅にも設置

JR九州の古宮洋二社長も、駅ビルの開業を新幹線の利用者を増やす契機にもしたいと話す。

JR九州の古宮洋二社長は、「(2023年)10月には(佐賀の)嬉野の旅館、11月には長崎の新しい駅ビル、年明けにはマリオットホテルの開業と佐賀・長崎地区、西九州エリアの色々な話題がある。1つ1つきっかけにして新幹線の利用を増やしていきたい」と話した。

課題も残る…周辺の渋滞対策

ただ課題もあり、周辺の渋滞対策だ。

開業後はおよそ1,500台収容できる駐車場
開業後はおよそ1,500台収容できる駐車場

JR長崎シティは、900台が入る立体駐車場を整備していて、開業後は現在の倍以上となる、約1,500台が収容できる。しかし出入り口は限られ、道路の拡張も立体駐車場の出口付近に限られている。

JR長崎シティ・赤木征二社長:
車線を増やせたら一番良いが、それは時間がかかると思う。例えばパーク&ライドで総合的な対策でなるべく1カ所に集中しないような交通対策を総合的に考えていくことが大事かなと

“100年に一度”再開発に期待は高まる

JR長崎駅前の高架広場の解体も進み、長崎市が新しい歩道橋を建設する予定で、一連の工事は2025年度に終わる見通しだ。

工事中の長崎駅前の様子
工事中の長崎駅前の様子

100年に一度と言われる大規模な再開発が進む長崎市。
新幹線開業で生まれた新たな人の流れをまちなかや長崎県の内外にまでいかに波及させるか、ひとつの核となる長崎駅への期待は高まっている。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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