千葉県習志野市の質店で発生した強盗事件で逮捕された容疑者。逮捕のきっかけは、手配のニュースを見た人からの情報提供だった。いま情報提供で容疑者逮捕につながるケースが増えている。

逮捕の2人は“闇バイト”で面識なし

9月7日、千葉県習志野市の質店で、腕時計など4000万円相当が奪われた強盗事件。犯行グループの4人は面識がなく「闇バイト」で集められたとみられることがわかった。

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指名手配の末に逮捕された杉山翔吾容疑者(28)は、9月7日、習志野市の質店に刃物のようなものを持って押し入り、店員を切りつけてけがをさせ、腕時計など約4000万円相当を奪った疑いが持たれている。

この事件ではすでに2人が逮捕され関与したとみられる10代の少年の身柄も確保されているが、グループの4人は面識がないとみられることが分かった。

すでに逮捕されている2人は「闇バイトに応募した」との趣旨の話をしていて、警察は指示役など他にも関わった人物がいるとみて調べている。

事件に関して、社会部・警察庁担当の尾瀬真澄記者がお伝えする。

逮捕のきっかけは情報提供

21日に行われた指名手配がきっかけで、杉山容疑者の逮捕にもつながった。

千葉県警は、防犯カメラに映った杉山容疑者の映像を公開していた。杉山容疑者の手配のニュースを見た人から情報提供があり、この情報を神奈川県警に伝えた。

そして23日夜、横浜市内の路上で神奈川県警の警察官が杉山容疑者を発見し、身柄を確保した。杉山容疑者は、調べに対し容疑を認めているという。

公開捜査には具体的に、どのような情報が寄せられるものなのだろうか。

一般的には、容疑者に似ている人を街で見かけたなどの目撃情報が寄せられ、警察官が現場に急行する。

2023年1月から8月末までに、情報提供がきっかけで指名手配犯が検挙されたケースは、14件あった。

昔は“足で稼ぐ”捜査が主流だったが、地域社会における関係が希薄になる中で情報が寄せられなくなっていることから、最近では、防犯カメラ映像などを積極的に公開し、情報提供を呼びかける手法が用いられている。

“犯罪組織壊滅”情報には最大100万円

特殊詐欺事件の公開捜査では、ATMの防犯カメラに映ったいわゆる「出し子」の映像が公開されて間もなく逮捕されたケースもあり、警察幹部も「公開捜査はかなり有効だ」と話している。

また、警察庁は10月から匿名の通報に対して支払う情報料の対象に、闇バイトなどSNSでつながる犯罪グループを加えるほか、組織の壊滅につながる情報提供には最大100万円を払うなど、情報料の上限を大幅に引き上げる。
(「イット!」 9月25日放送より)

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