今、住宅の購入を検討する人が増えている。大阪・箕面市では、2025年完成予定の高層マンションの部屋(平均価格7,600万円台)が順調に売れているという。一方で、悩ませているのが「固定金利」が上昇傾向にあるということだ。今後、さらなる金利の上昇はあるのだろうか?

都心・駅近に需要高まり価格高騰

大阪市内にある住宅展示場に、1歳の男の子を連れた家族が訪れた。この30代の夫婦は、都心で利便性の高い住宅の購入を考えている。

この記事の画像(9枚)

国土交通省が毎月公表している不動産価格の動向を見ると、10年前から住宅全般の価格が上昇傾向になっている。特にマンションの価格は、約1.9倍と急激に上がっている。

不動産経済研究所によると、近畿圏で2023年の上半期に売り出された新築マンションの平均価格は4,774万円となっており、バブル期が終わった1991年以来の高値の水準だ。

この高騰の理由として、資材費や人件費が上がっていることに加えて、買う側が将来、売る時のことを考えていて、都心や駅の近くなどの需要が高まっているということだ。

大阪・箕面市では、新しい駅の目の前という好立地で、高層マンションが2025年に完成する予定だ。平均価格は7,600万円台で、最上階の値段はなんと3億2,500万円。しかしすでに売却済みで、他の部屋も順調に売れているという。

上昇する価格…買い時に悩み

こういったマンション需要に押される形で、一戸建てや中古住宅も軒並み値上がりしている。大阪市北区にある「オープンハウス」のショールームでは、2023年のお盆明けから購入の相談が増えてきたという。

20歳代:
大阪市内で考えていたので、あと駐車場が大きいところがいい。おうちが広くなるとか

オープンハウス関西営業部・亀田眞吾課長:
インフレだったり家賃の上昇があって、そろそろ家を買おうかなという方が増えてきたという認識ですね。この1年、2年の単位でみると(価格は)まだまだ上昇すると思うので、直近で購入したいという方にとっては、お求めやすい価格になっている

一方で、こんな心配の声も…。

ーー家の買い時は気にしていますか?住宅ローンの金利とか?

住宅購入を考えている夫婦:
めっちゃ気にしてます。今やはりどこを回っても、来年から上がりますよとか言われるので…

ーー今がまさに買い時?

住宅購入を考えている夫婦:
遅かったかな。こっちからしたら遅いかな

日銀は金融緩和策“維持”

住宅を購入する際、多くの人が利用する住宅ローンだが、今その住宅ローンの「固定金利」が上がっている。その背景にあるのが、日銀の金融緩和策の変更だ。

2022年末に黒田前総裁が、これまで極端に低く抑えてきた長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げた。さらに2023年7月、新たに就任した植田総裁が事実上1%までの上昇を認めた。
こうしたことから、大手の銀行で住宅ローンの「固定金利」を引き上げる傾向にある。

今後、さらなる金利の上昇はあるのか?注目されたのが、9月22日の日銀の金融政策決定会合だ。

日銀・植田和男総裁:
日本銀行としては内外の経済や金融市場の不確実性が極めて高い中、経済、物価、金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇をともなう形で2%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現することを目指していく方針です

大規模な金融緩和策の修正はせず、7月に引き上げられた長期金利の上限も据え置きとすることになった。
住宅ローンの固定金利が上昇傾向にあることについては…。

日銀・植田和男総裁:
上昇幅も限定的ですし、また固定金利で借りてる方の比率もそれほど高くないという現状ですので、マクロ的な影響は限定的と考えている

(関西テレビ「newsランナー」2023年9月22日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。