神々と人間が触れ合う福井の奇祭「七福神祭り」が2023年9月、4年ぶりに本格開催された。起源は江戸時代中期の天明の大飢饉(ききん)で、疫病などから人々を救済するために始まったとされる。新型コロナウイルス感染症が再拡大する兆しがある中、流行を吹き飛ばせとばかりに大勢の人たちがご利益を求め集まった。
4年ぶりに七福神が巡行
福井・南越前町の妙泰寺(みょうたいじ)に現れたのは大黒天、恵比寿天、寿老人など7体の「七福神」だ。七福神祭りは毎年9月の第三月曜日に行われ、七福神と住民とが触れ合う全国的にも珍しい形式を持つ。

始まったのは今から約230年前。江戸時代中期に発生し、近世最大の飢饉とされる「天明の大飢饉」がきっかけだった。疫病や飢餓に見舞われた住民を救おうと、当時の住職が中心となり七福神に扮(ふん)したのが始まりとされる。
令和の疫病、新型コロナの影響で七福神が地区内を巡る巡行が中止となっていたが、2023年に4年ぶりに復活。本来の形式で祭りを開催することができた。

きらびやかな服装の七福神は「宝船」と書かれた横断幕を掲げた車に乗り、集落を巡行した。
手を合わせていた女性:
きのうから待っていた。仏様を拝んでいたら、息子が「今来たよ」と言ったから走ってきた
七福神が子どもやお年寄りと交流
七福神は巡行を終えて境内に戻った。ここで7体の神々と触れ合えるため、子どもからお年寄りまで大勢の人たちが集まっていた。その光景は新型コロナ前に戻っていた。

七福神と写真を撮る親子連れたちは、笑顔があふれていた。

ただ、中にはその異様な姿にビックリし、親の後ろに隠れて、泣き出してしまう子どももいた。マイクを向けると、泣きながら「ぶぶー(怖かった)」と返答してくれた。
ーー祭りのどういうところが楽しい?
子ども:
神様と出会って写真を撮ったりするところ
ーー怖くない?
子ども:
全然怖くない

ーー赤ちゃんの時怖かった?
子ども:
うん(笑)

妙泰寺 七福神保存会・平野秀雄会長:
これだけ子どもが多いのは何年ぶりかな。本当に楽しみ、良かったと思う。ますますこの祭りが、皆さんが行ってみようという祭りになれば
疫病などからの救済を目的に始まった七福神祭り。令和の今、住民たちは新型コロナを吹き飛ばそうと厄除けの願いを込めていた。
(福井テレビ)