65歳以上の高齢者の占める割合が過去最高を更新した。さらに「高齢者の高齢化」が進んでいる実態も浮き彫りになっている。

若者に勝るとも劣らない高齢者たち

敬老の日の18日、各地で若者に勝るとも劣らない高齢者たちの姿があった。

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熊本市では、華麗なグラブさばきで小学生野球チームからアウトを取るのは、70歳を超えた古希チーム「ウイード」だ。

アナウンス:
2番、ショートおがみさん、72歳。

半世紀以上白球を追い続けてきたベテラン選手たちに、孫やひ孫世代の選手たちが立ち向かった。

試合は1対1のまま終盤を向かえた。ここでマウンドに上がったのが、82歳のレジェンド原口さんだ。

軽快な守備でレジェンドをもり立てるが、 小学生チームの猛打が襲いかかり、6対1で敗れてしまった。

古希チーム「ウイード」園部健一監督:
楽しみましたね。負けはしましたけど。野球人口が少ないから小学校・中学校・高校とかまで、頑張って、(熊本出身の)村上宗隆選手を目指してもらいたいですね。

そして秋田市では、立ち幅跳びや、上体起こし、片足立ちと、高齢者達が若者に負けじと体力測定に臨んだ。

特に、上体起こしでは苦戦する参加者が多い中、68歳の男性は17回を記録。

さらに、反復横跳びでもしっかりした足取りで華麗なステップを見せるなど大奮闘だった。

ーー普段から心がけていることは?

参加した高齢者(68):
近くに買い物コンビニに行くとき、なるべく車ではなく自転車で走っている。

岩手県宮古市で取材したこちらの女性は…

久保田イチさん:
久保田イチ、大正2年5月30日生まれです。

岩手県最高齢、110歳の久保田イチさんの長寿の秘訣は、ご飯とみそ汁と漬物を食べることだという。

ーー現在の楽しみは?

久保田イチさん:
みんながこうして仲良くしてくれるのが一番の楽しみ。まだ長生きしたい。

65歳以上の高齢者の占める割合が過去最高に

高齢者の人口については次のようなデータが発表された。

総務省のまとめによると、65歳以上の高齢者数の人口は推計で3623万人。2022年より1万人減り、1950年以降初めて減少となった。

減少したのは、2023年に新たに「高齢者」にカウントされる年代が、いわゆるベビーブームの「第1次」と「第2次」の谷間に当たっているための現象だ。

総務省は、少子高齢化の傾向は今後も変わらないとみている。

実際に総人口に占める高齢者の割合を見ても、29.1%と過去最高を更新した。

また、80歳以上の人口が「10人に1人」と、「高齢者の高齢化」が進んでいる。

今後の高齢者の割合は「第2次ベビーブーム(1971~74年)」世代が65歳以上になった後の2045年には、36.3%になると見込まれている。

大阪府柏原市の特別養護老人ホームで行われた100歳以上の入居者を祝う会では、国内最高齢・116歳の巽フサさんが、ピカチュウのぬいぐるみを抱えていた。

職員:
おめでとう!

巽フサさんは、今でも一日3回の食事を欠かさず食べ、常に健康を意識して過ごしてきたことが、長寿の秘訣のようだ。

高齢化が加速する中で、働く高齢者も年々増えている。

働く高齢者は19年連続で増加し、2022年は912万人、前の年から3万人増えて過去最多を更新。全就業者のうち、実に7人に1人が高齢者だ。

高齢者の働き口として多い業種としては、1位が卸売業・小売業。2位がサービス業。3位が医療・福祉。4位が農業・林業。5位が製造業となっている。

3位の「医療・福祉」は、10年前と比べると3倍近く急増している。

特に介護職については65歳以上の求人も多く、実際に介護の現場で活躍している高齢者も多いという。高齢者が高齢者の介護を行っているという現状がある。
(「イット!」 9月18日放送より)