世界の優れた芸術家に贈られる第34回高松宮殿下記念世界文化賞の5部門、5名の受賞者が決まった。

2023年の受賞者は、絵画部門でラトビア出身の画家、ヴィヤ・セルミンスさん。
鉛筆などによるドローイングで知られ日用品を題材にする一方、第二次世界大戦や難民キャンプでの経験を彷彿とさせる作品などを発表している。

絵画部門 ヴィヤ・セルミンス氏
絵画部門 ヴィヤ・セルミンス氏
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彫刻部門は、アイスランド/デンマークの美術作家、オラファー・エリアソンさん。
ドイツのベルリンとデンマークのコペンハーゲンを拠点に活動。光や霧など自然界の要素を取り込み、人の知覚に働きかける作品で知られている。

彫刻部門 オラファー・エリアソン氏
彫刻部門 オラファー・エリアソン氏

建築部門は、建築家のディエベド・フランシス・ケレさん。
ドイツを拠点に母国ブルキナファソやアフリカ各地で、地元の素材などを生かしながらサステナブル=持続可能な建築を数多く手がけてきた。2022年、アフリカ出身者で初めて建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した。

建築部門 ディエベド・フランシス・ケレ氏
建築部門 ディエベド・フランシス・ケレ氏

音楽部門は、アメリカのトランペット奏者、ウィントン・マルサリスさん。
卓越したトランペット演奏でジャズをアメリカ独自の芸術として保存・発展させる活動を続け
クラシック界でも名高い。グラミー賞は9度受賞している。

音楽部門 ウィントン・マルサリス氏
音楽部門 ウィントン・マルサリス氏

演劇・映像部門は、アメリカの演出家、ロバート・ウィルソンさん。
前衛的な作風で知られ、舞台美術や照明、振り付けも手がけるなど創作活動は幅広い。
ビジュアル・アーティストの第一人者で歌舞伎俳優の坂東玉三郎さんら日本の古典芸能とも交流が深い親日家。

演劇・映像部門 ロバート・ウィルソン氏
演劇・映像部門 ロバート・ウィルソン氏

若手芸術家奨励制度の対象団体には、アメリカ・アラバマ州の農村地区で建築を学ぶ学生が住宅や公共建築を建設し、地域の活性化に貢献している「ルーラル・スタジオ」とニューヨークのハーレム中心部で2歳~18歳の生徒に音楽やダンス、演劇、デザインなどを教える「ハーレム芸術学校」の2団体が選ばれた。

受賞者発表を受け、日本時間13日午前6時からアメリカ・ワシントンのホワイトハウスで、ジル・バイデン大統領夫人や世界文化賞国際顧問のヒラリー・クリントン元国務長官、それに音楽部門のウィントン・マルサリスさんらアメリカ在住の受賞者が出席する受賞者祝賀式が開かれる。
授賞式は10月18日、東京の明治記念館で行われる。

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国際取材部
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