長野市に託児もできる「子育てラウンジ」ができた。開設したのは産後うつ・ワンオペ育児を乗り切った女性。当時は疲れ、不安、孤独感などで涙があふれてきたという。かつての自分と同じように悩む親を支えたいと奮闘している。
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産後1カ月ごろから“ワンオペ育児”
楽しそうに遊ぶ男の子。母親が笑顔で見守る。
ここは、2023年4月、長野市新町にオープンした「子育てラウンジ にことかぜ」。
親子が一緒に過ごせるだけでなく託児も受け付けている。

運営会社「le cocon(ル ココン)」の代表・竹内奈津紀さん(46)。高校3年生になる長男がいる。
竹内さんは産後の状況について、「当時、夫が仕事がとても忙しく、朝7時くらいに家を出て、帰りが夜9時、10時、遅い時には日付が変わる前くらいに帰って来る状況だった。子どもが生後1カ月の時から“ワンオペ育児”をしていた」と話す。
ラウンジの開設は自身の子育て経験が出発点だ。
群馬県高崎市に住んでいた竹内さん。
里帰り出産をして産後1カ月までは出身地の池田町で過ごしたが、高崎に戻ってからは頼れる人がおらずワンオペ育児に。

寝不足、疲れ“産後うつ”の状態に
3カ月を過ぎたころ、いわゆる「産後うつ」の状態になったと話す。
竹内さんは、「あまり寝てくれない子だったので寝不足からの疲れと、赤ちゃんと2人だけでずっと家にこもっている閉塞感とか、孤独感みたいなものとかで、気が付いたら意味もなく涙が出てきた」と、当時の悩みを明かす。
様子がおかしいことに気づいたのは、子どもの健診で訪れた病院の看護師。すぐに助産師を紹介され、悩みを打ち明けることができた。
「『もう大丈夫よ、こうしたらいいわよ』とか、本当に温かい言葉がけと、支援をいただいて、それで救われて立ち直れたというか、育児を軌道に乗せられた」と、親身になって寄り添ってくれたことに感謝している。

悩む親を支えたい ラウンジ設立
その後、徐々に産後うつを克服。長野市に引っ越し、長男が3歳の時には仕事に復帰した。
ワンオペ育児はその後も続いたが、4年前、ベビーシッターなど、子育て支援の会社を設立した。
竹内さんは、「育児が落ち着き、今度は自分がしたつらい経験を今しているママやご家族に少しでもつらい思いとか軽くしてあげられる手伝いができたら」と話す。

子育ての先輩たちのアドバイスも
ラウンジは未就学児までが利用でき、親もゆっくりできるようコーヒーなどの飲み物も用意。
竹内さんら子育ての先輩たちのアドバイスも受けられる。
保育士の資格を持つスタッフを置いて、託児にも対応していて、着替えやおむつも用意してある。
利用者は、「親がほっとできる場所でアドバイスももらえる」、「私自身もリフレッシュできる」などと話し、好評だ。

「育児は幸せな時間」
オープンしておよそ5カ月。
利用者の多くはかつての竹内さんと同じように、周囲に頼れる人がいない母親たちだという。
竹内さんは、「ずっとひとりだけで子どもと向き合っていると、不安や負担感、大変さばかりが先立ってしまう。子育てにいい時間を感じる余裕がなくなるのはとても悲しいことだと思うので、子育てを楽しく幸せに感じていただけるご家族が少しでも増えたらいいなと」と、今後も悩んでいる親に寄り添っていきたいとしている。

(長野放送)