台風13号による9月8日からの雨では、川の氾濫も発生。床上浸水の被害も発生していて、4日経っても全容がつかめず11日に発表された1168棟より増える可能性があるという。被害に遭った人は、水害の恐怖と疲れが癒えぬまま、日常を取り戻すための復旧作業を進めている。
多くの住宅で床上浸水
福島県いわき市内郷内町では、新川が氾濫し多くの住宅が床上まで水に浸かる被害が発生した。

娘と2人で暮らす根本ゆう子さん(74)の自宅は、1階の半分ほどの高さまで水が上がった。
記者:何もかも全部倒されちゃったんですね
根本さん:一応畳はあげたんですけど、もうそんなこと言ってる場合じゃないよね。だめでした

生きた心地がしなかった
水位は、地面から2メートルほどに達した。水が引いた部屋の中は泥だらけの状態で、仏壇や冷蔵庫などの家財道具はどれもなぎ倒されていた。

根本さんは「2階があるので2階にいた。そして川が氾濫して道路が川のように。物置の壁がバリバリとはがされてしまって、もう本当に生きた心地しなかった。死ぬかと思った」と語る。

考えが甘かった…
根本さんは「この場所で50年暮らしてきてこれだけの被害は初めて。2019年の東日本台風の時よりも被害は大きかった」と話す。

「雨の降り方ががしとしとくらいで、さほどと思わなかったんだ。それが甘かったんだね。それはつくづく思います」

り災証明申請受付がはじまる
支援を受ける際に必要となる「り災証明書」の申請受付が11日から始まった。いわき市の床上と床下浸水の被害は1300棟以上で、朝から多くの市民が窓口を訪れた。

「話してみると皆一緒だなと思います。内郷の浸水は1000棟と聞きました。やっぱり思いは一緒ですよ」と根本さんはいう。

休む間もなく家の片付け
11日は朝早くに「り災証明書」の申請を終え、午後は家の片付けに向かった根本さん。自宅には、連日20人以上の親戚が集まり片付けを行っている。厳しい暑さが続き、水分補給をしながらの作業だ。

ここには居たくない…
しかし、終わりの目途はまだ立たず、今後の不安も抱えている。根本さんは「リフォームして住むか、また別な所に行くか。ここには居たくないような気がします」と話す。

先が見えないなか、日常を取り戻す作業が続く。
(福島テレビ)