自民党の佐藤正久元外務副大臣と、国民民主党の玉木代表が10日、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)に出演。ガソリン価格の最高値更新が続くなか、ガソリン税のいわゆる「二重課税」の問題を議論した。

玉木氏は、6月に西村経産大臣を訪問した際に、「西村大臣も(二重課税は)おかしいと言っていた」と明かした。そのうえで、「税に税をかけるのは、空気に税をかけてみたいなもので、これはやっぱり見直すべきだ」と強調した。
一方、自民党の佐藤正久氏は、いまの補助金制度を取り入れつつ税制改正も議論するという、短期的な措置と中期的な措置を組み合わせた対策の必要性を訴えた。
番組コメンテーターの橋下徹氏は、「特定産業の特定のものに対しての補助金行政というのは、政府・自民党の悪しき政治だ」と述べ、補助金に反対する考えを示した。

一方、13日に予定されている内閣改造に関連し取り沙汰されている国民民主党の自公連立入りについて玉木氏は、「我々から何か言ったことは一度もない」と述べる一方、「この混迷の時代に、政策を前に進めるためには協力するところは協力していく」と話し、将来的な可能性に含みを持たせた。
また、橋下氏が、「仮に国民民主が自公連立に入った場合、玉木氏はどこの大臣に就きたいのか?」と問うと、玉木氏は「総理大臣」と即答し、スタジオの笑いを誘った。

以下、番組での主なやりとり。

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):
延長が決まったガソリン補助金。9月7日から新しい制度が始まった。レギュラーガソリンの小売価格1L当たり168円から、185円までは一部補助。185円を超えた場合は全額補助に。政府は10月中に175円程度まで抑制するとしている。こうした中、ガソリンの二重課税を是正すべきだという声が上がっている。現在、全国の平均小売価格は187円ほどで高止まり。この内訳だが、ガソリンの本体価格は113.4円。そして石油石炭税、ガソリン税を合わせて、170円になる。この税金を含んだ価格に10%の消費税がかけられていることから、「二重課税」だという指摘がある。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
ガソリン価格の高騰対策だが、政府の補助金によってなんとか支援するということでやっているが、補助金予算はすでに6兆円を超えていると言われている。長年指摘されてきた二重課税の問題でもあると思うが、この辺りは改めるべきなのかどうか。

玉木雄一郎氏(国民民主党代表):
どう考えても改めるべき。(ガソリンの)本体価格110円でしょ? 消費税10%だから、本来であれば消費税は、かけても11円(11.34円)だが、消費税分は16円ぐらいになる。プラス、リッター5円分は、その税金にさらに税かけてプラスになっている。これは税の論理からしてもおかしい。私は6月に西村経産相の所に行った時、西村大臣も(税金に税金をかけるのは)「おかしい」と言っていた。だから、冷静に考えればおかしい。二重課税をやめるだけでも5円下がるし、いわゆるこの「暫定税率」、いまは「当分の間税率」と言っているが、1974年から続いている。暫定だ、当分だ、と言いながら半世紀も続いている。そろそろ1回整理し直して、抜本的な税制改正すべき。私は減税を、シンプルにやったらいいと思う。2021年度の税収は、見積もりより10兆円増えているし2022年も6兆円増え、2023年もたぶん5兆から9兆上振れすると思う。

玉木氏:
物価が上がることは、事実上、消費税率を上げたことと一緒になるので、その分いま国がウハウハになっている。その一部を還元して制度見直しを含めた減税に回していくべき。

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):
やっぱり財務省含めてね、日本の役所が理屈でしっかりやっていくっていうのは、ある意味誇らしいところだと思うが、税に消費税をかけるのは理屈が立たないはずなのに、政府・自民党、自民党が動かないのであれば、野党が追及した時に財務省とかなんと答えているのか?

玉木氏:
ここだけはどう考えても論理的じゃないが、(財務省などから)「いや、海外でもやっています」とか、よくわからない理由でいつも反論が来るが、これはやっぱり、税に税をかけているのだから、空気に税をかけてみたいなもので、これはやっぱり見直すべきだと思う。

橋下徹氏:
政府・自民党は、我々民間人には納税者には理屈、理屈で攻めてくるが、ここは、ちょっと正さないといけないのでは?

佐藤正久氏(自民党・元外務副相):
税調の方で、二重課税の問題とか、暫定税率部分は、場合によっては、暫定税率の部分は国会で法改正も必要になるので、そういう流れは流れとしてやると。同時に喫緊の課題としてすぐ対応しないといけないという点では、補助金というのをあわせながら、短期的な措置と中期的な措置を組み合わせながら、これはおそらく国民民主党も一緒に議論ができる部分だと思う。

玉木氏:
短期と中期と分けてやるのはいいが、本来の税のあり方もある。年末の税制改正に向けた議論をやり始めるべきだと思う。私も当面は補助金でつなぐのは賛成だが、やっぱり矛盾が限界に来ているのではないかなと思う。

橋下氏:
補助金も、もうかれこれ1年ぐらいの話になってきて、玉木氏はもともと補助金制度に反対だった。自分も反対だ。補助金は(行政が)歪む。

橋下氏:
だから、やっぱりこの特定産業の特定のものに対しての補助金行政というのは、政府・自民党の悪しき政治だと思う。

松山キャスター:
与党と国民民主党の連立話がここ数週間ずっと話題として出ていた。9月13日に内閣改造が行われる見通しになったが、仮に9月25日の週で内閣改造をやるとしたら、そこまで国民民主党との連立協議が続くのではないかという見方も一部で出ていた。与党関係者から聞いた話だが、一時、国民民主党からの入閣案、具体的な名前まで出ていたというふうに聞いているが、そういったものがどこまで具体的に詰まっていたのか。連立というのはもうなくなったのか?

玉木氏:
(連立について)我々から何か言ったことは一度もない。ただ、我々が今年の党大会で決めた活動方針は、政策本位で国民にとって国にとって必要な政策を進めるためには、与野党を越えて連携・協力して行こうということをやっている。与党であっても協力するところはするし、例えば憲法改正の条文であれば、これは維新のみなさんと有志の皆さんと共通条文を作るということで。とにかくこの混迷の時代に、政策を前に進めるためには協力するところは協力していくということだ。

橋下氏:
仮に国民民主が連立に入ったとして、玉木氏はどこの大臣に就きたいのか?

玉木氏:
総理大臣。(スタジオ笑い)

橋下氏:
もういきなり? 財務相からとかじゃなくて?

玉木氏:
この話はもうね、あのはい(笑)

梅津キャスター:
テレビリモコンの投票結果が出た。自公連立政権に国民民主が参加するとしたら、賛成という人は60%で反対は35%。どちらともいえないという人が5%。あくまでこの番組をご覧の視聴者のあのアンケート結果になるが。

橋下氏:
言えるのは、今の自公連立政権にそれだけ不満の声もあるということではないか。

松山キャスター:
佐藤氏はこの結果をどう受け取るか。

佐藤正久氏:
やっぱりそういう(連立への)期待感というのが非常に大きいのだなと。私自身も、(国民民主と)政策は相当近いので。特に安全保障についてはかなり近いので、一番大事な安全保障や税についてある程度近いのであれば、かなり連立というのも現実的だとは思う。

橋下氏:
維新の馬場代表と昨日番組で共演したが、国民民主党との連立というか、タッグも考えているということだったが、それはどうなのか?

玉木氏:
どの党であっても、憲法、安全保障、原発を含むエネルギー政策、こういったところで逆に合うところときちんと進めていくということは、連立という形かどうかは別として、与野党超えて力をあわせてやらないと、国際的に日本はもう生き残っていけなくなっているので、そういう視点は大事だと思う。

日曜報道THE PRIME
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今動いているニュースの「当事者」と、橋下徹がスタジオ生議論!「当事者の考え」が分かる!数々のコトバが「議論」を生み出す!特に「医療」「経済」「外交・安全保障」を番組「主要3テーマ」に据え、当事者との「議論」を通じて、日本の今を変えていく。
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