9月8日からの台風13号による大雨は、福島県に大きな被害をもたらした。特にいわき市では川が溢れ浸水や冠水の被害が発生。被害は、いわき市の人気スポットにも及んでいた。
知る人ぞ知る話題のスポット
福島県いわき市内郷白水町にある「いわき洗い越し」は、車で川を渡ることができる観光客にも人気の場所。普段は流れが穏やかだが、8日の大雨の影響で一日経っても流れが早く、水は濁っていた。

橋が流され孤立状態
この場所には2メールほどの橋がかかっていただが、その橋が流されてしまったという。橋を渡った先には集落があり、約5世帯が孤立状態となっている。そこに家族3人で暮らす松崎孝志さんに電話で話を伺った。

「渡る手段を寸断されてしまって…普段から備蓄などがあったので、早急にという訳ではないが、この状況が続くと底をついてしまったり」と松崎さんは不安な様子。

物資調達ができない中での断水
松崎さんの自宅は、電気とガスは使えるが、断水が続いているという。不安を募らせないよう、住民同士で声を掛け合っているそうだ。

「何よりも橋が無くなってしまったことに、びっくりした。このままだと物資調達とかままならない。水が出ていない状態なので、生活水とか飲料水が一番の問題」と松崎さんは話す。

一日経っても流れが早く
9日午後4時には、いわき市水道局や工事の担当者が復旧作業のため訪れたが、川を流れる水の勢いが強く集落へ向かう事ができず作業を断念するという場面もみられた。一日も早い復旧が求められる。

国宝にも被害
大雨の被害は、同じくいわき市内郷白水町にある国宝にも及んでいた。福島県唯一の国宝建造物に指定されている白水阿弥陀堂。普段は季節の花々が咲く、美しい光景が広がっているのだが、茶色い水に浸かっていた。

5時間の排水も解消されず
白水阿弥陀堂は、近くを流れる新川が溢れ一帯に濁流が流れ込んだ。大雨から一夜明け、消防団が5時間かけて排水を行ったが水は引かず、10日も排水作業を行うという。

お堂が床上浸水
お堂は最大で床上30センチまで水に浸かった。白水阿弥陀堂の赤土隆行住職は「一番ショックなのは、お堂が床上浸水してしまったということ」

「お堂の中に仏様が安置されている。その段を須弥壇というが、その須弥壇の三分の一くらいかかってしまった」と、こんな経験は初めてと話していた。

片付けをしたいが、水が引かないことには作業ができないので、早く水が引くことを待っている。
(福島テレビ)