実際に存在する自治体の公園に好きな名前を付けることができる?そんな権利がいま、「命名権NFT」としてオークションに出品されている。

9月1日に1000円からスタートした価格は7日時点で38万円を突破しており、オークションは10日の21時59分まで行われる予定だ(終了直前に最高価格が更新されると自動的に延長)。

(出典:HEXA)
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この公園は、山形県西村山郡西川町大字水沢2297番地にある「水沢名水公園」。山形県中央部にある人口約5千人の町で、清流日本一に認定された寒河江川が流れ、観光名所となっている月山湖を中心に自然に恵まれた場所だ。

公園は国道112号沿いの道の駅などが含まれる施設に隣接し、広さは4540平方メートルあり、名水という名前の通り、近くの川の上流には取水口があるそうだ。

(出典:HEXA)
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オークションはHEXA(ヘキサ)というNFTマーケットサイトで行われ、どんな名前にするかは落札後に問い合わせるという。名称は、もちろん公序良俗に反したり他者の商標を侵害したりするのはNGだが、文字種や文字数などに制限はなく、最後に「公園」が付かなくても問題はない。

新しい名前の看板を公園に設置

こうして決まった新しい名前の看板を公園に設置し、さらに町が作成するパンフレットなどにも新しい名前を使うという。オークションの収益は西川町の発展のために使われ、落札者が希望すれば自ら名付けた公園で、町長から地方創生に協力したことに対する感謝状授与の式典を行うことも可能とのことだ。

なお、HEXAを運営するメディアエクイティ株式会社によると、実在する自治体の公園の命名権をNFTとして販売するのは今回が“日本初”だとしている。

(出典:HEXA)
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ちなみにNFTとは、暗号資産でも使われているブロックチェーン技術を用いて所有状態を示す権利証明書のこと。「命名権NFT」は転売も可能だが、今回の場合は転売されたものを買っても命名権はなく「支援の証」になるそうだ。

なお西川町は他にも、温泉の無料特典などが付いた「デジタル住民票NFT」など数種のNFTを発行しており、住民票は1000個の販売数に対し13440個の応募が寄せられたという。

関係人口の創出と地域活性化が目的

それにしてもなぜ公園の「命名権NFT」をオークションにかけたのか?「命名権NFT」転売を購入することが“支援の証”になるとはどういうことか? HEXA(ヘキサ)サポートチームの担当者に聞いてみた。


――「命名権NFT」オークションのアイデアはどこから出た?

西川町が包括連携協定を締結している東武トップツアーズ株式会社から提案を受けました。西川町の関係人口の創出と地域の活性化を目的としています。


――なぜ「命名権NFT」が「関係人口の創出」と「地域の活性化」につながる?

「公園命名権NFTの発行」は、日本初の取り組みですので、オークションを知った方は最初にこのような取り組みをおこなう西川町に興味を持ってもらえます。オークションに参加しながらHEXAの西川町コミュニティでオンライン上の交流が始まります。

中には4月に発効したデジタル住民票NFTを購入する人もいると思われます。毎月実施している西川町長とのメタバース交流会に参加する人もいるかもしれません。このような交流人口が西川町を実際に訪問し、町の人とつながって関係人口になっていくことを目指しています。


――転売を購入することが「支援の証」とはどういうこと?

自治体には転売時のロイヤリティが入ります。


――どのように「公園命名権NFT」を活用してほしい?

「公園命名権NFT」は、西川町の地方創生に貢献する証ですので、さらなる地方創生への貢献を考えるきっかけとしてのツールとして活用いただきたいです。

(出典:HEXA)
(出典:HEXA)

ちなみに同チームに聞いたところ、公園の名称は、例えば「FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/ 公園」でもいいそうだ。もし自分が決めていいとしたら、どんな名前にするだろうか?

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。