夏休みの自由研究で、小学6年生の男の子が歴史の本に載っている料理を実際に作って食べてみた…。その様子を母親がInstagramに投稿し、完成までの“奮闘記”に多くの反響が集まっている。
「小学生 夏の自由研究奮闘記」とのタイトルで、「小学校最後の夏休み、何か自由研究やってみよう!ということで、テーマは『歴史メシ』に決め、縄文から現代までの食事を再現してみることにしました」などのコメントと一緒に投稿されたのは1本の動画。
そこには、親子が悪戦苦闘しながらも自由研究を頑張った完成までの様子が映っていた。
投稿したのは、母親・らてまるさん(@rate.maru9)で、男の子は息子・むーくん(11歳)。
むーくんの小学校は自由研究の課題をするかどうかは自由なのだそう。しかし、小学校最後の今年は自由研究をやることにしたのだ。
本人のやる気がゼロから始まったという自由研究。テーマは、相談して「縄文時代から現代までのごはんを作って昔の人の事をよく知ろう!」に決定。
夏休みの遊びも思いっきり満喫しつつ、縄文時代から9つの時代をしっかり調べて作って、そして、服装もなりきって食べることを繰り返していった。
そして完成した「歴史メシ」の一部がこちらだ。
【栄養いっぱい! 縄文時代メシ】
・メニュー:縄文パン、ブドウ、栗、くるみ、アサリ、大根と小松菜の塩ゆで、鯛の塩焼き
・特徴:野生の動物や魚、木の実や山菜を取るなど自然のめぐみを利用して暮らしていた。
土器ができた事で「煮る」調理法が可能になった。
【気がるにさっと食べれる 江戸時代メシ】
・メニュー:米、アジの塩焼き、なっとうのみそ汁、えびの天ぷら、油あげの煮もの、マグロずし、たくあん
・特徴:屋たいが街にではじめて海や川でとれる新鮮な魚介類を使ったすしや天ぷらが人気になった。参勤交代など人の移動が増え、旅人に向けての宿や料理屋が生まれた。
なんとか現代の食べ物まで作ったが、これだけでは自由研究が終わったとはいえない。
最後の“まとめ”が残っているのだ。夏休みも残りわずかになった頃には、諦めそうになったり、時には泣きながら文句を言いながらまとめたのだそう。
そして最後まで諦めずに頑張り、夏休みの最終日についに完成させたのだ。
これにはらてまるさんも「本当に頑張ったね!息子の成長をたくさん感じた夏休みでした。おかげで私も歴史が大好きになりました」とコメントしていた。
ちなみに、なかなか進まなかったというまとめには、研究で気がついた昔と現代の違いが書かれていた。
(まとめ一部)
今は買い物で簡単に食材が手に入れる事ができるけど、昔は、狩りをしなければ手に入らない時代があって現代がどれだけ便利になったかが分かった。
親子二人三脚で、けんかをしながらもやり遂げた自由研究。
この動画を見た人からは、「すごーい‼︎超大作だね‼︎この企画思い付いたのもすごい」「息子くんにとってもいい経験&夏休みになっただろうね」「素晴らしいクオリティですね。なりきりが可愛すぎます。母も子もお疲れ様でしたーー!」などとコメントが寄せられ、動画は3万回以上再生されている(9月7日時点)。
買って作ってなりきって味わい楽しんだ
調べて買って作るなどとても大変そうだったが、なぜ「歴史メシ」をすることにしたのだろうか? まずは、母親に話を聞いた。
ーーどうして自由研究に「歴史メシ」をすることにしたの?
自由研究は自由課題だったので、今まで一度もやったことはありませんでした。小学校6年生で、最後の夏休みの思い出に、自由研究をやってみては?と私が提案したところからはじまりました。
歴史と食べることが好きで、歴史本に載っている当時の食事を食べてみたいとよく言っていたので、「再現してみよう」となりました。
ーー「歴史メシ」をすると決まった時、どう思った?
とても楽しそう!それぞれの時代の料理は私も知らないことばかりだったので、興味津々でした。
ーー自由研究している時、むーくんの様子は?
買い出しや料理、なりきって写真をとり、味わうまではとても楽しんで取り組んでいました。ただ、そのあとのまとめが苦手で、なかなか進まず苦戦していました。
ーー料理はむーくんが作ったの?
普段料理をほとんどしないので、横でサポートしましたが、息子が主体で頑張りました。メニューは、本を図書館で借りてきて参考にしました。
なりきり衣装は家にあるモノで手作り
ーー大変だったことはある?
昔に戻れば戻るほど、手に入りにくい食材があり(鹿肉、赤米など)スーパーを何軒もはしごし、見つけることに苦労し、普段めったに買わない、あわびやカニなどの高級食材が必要な時代もあり、お金も結構かかりました。
時代に合った、食器が自宅にはなく、おばあちゃんの家からそれらしい食器を借りてきたりもしました。
ーーなりきり衣装は手作りしたの?
なりきりコスチュームは手作り、または自宅にあるもので準備しました。なりきるために、五月人形の陣羽織を無理やり着てみたが、小さすぎてやぶれるかと思いました。
靴下でちょんまげを作ったり、紙袋を着物風にみせたり、ネックウォーマーをしばって帽子にしたりと、家にあるもので思った以上になりきれたのが面白かったです。
ーー完成した時は、どう思った?
調べて、買い出しに行き、作って、なりきって、食べて、まとめてを9つの時代をやることは、すごく大変で時間もかかったので、達成感をすごく感じました。
おいしかった時代は「江戸と現代」
調べて、作って、なりきって食べた息子・むーくんは、「歴史メシ」を研究してみてどうだったのだろうか?また、どの時代のご飯がおいしかったのだろうか?本人にも話を聞いた。
ーー自由研究「歴史メシ」でこだわった部分はどこ?
その時代の格好になりきったところ。
ーー大変だったことはある?
普段料理をしたことがあまりなかったので、火加減や切り方などが難しかったです。でも、スーパーで食材を探しに行き、見つかった時が嬉しくて楽しかったです。
ーーどの時代のご飯がおいしかった?
すしがある江戸と好きな食べ物がたくさんある現代。
ーー「歴史メシ」を研究した感想を教えて
料理を知ると、その時代背景まで知ることができて、歴史の勉強も深まり興味深かったです。学校では、「その時代の格好になりきっててすごい!」「歴史のことがよくわかるいい自由研究だね!」と言われました。
らてまるさんによると、興味があることが見つかると夢中になり集中してしまうというむーくん。今回の研究も、まとめに苦戦していたが、持ち前の集中力で素晴らしい研究になったようだ。
思い出に残る小学校最後の夏休みになったことだろう。